【子どもと一緒に読みたい本・絵本】 ㉑  『じごくのラーメンや』

子育て奮闘中!のママが「子どもと一緒に読みたい本」「本当に子どもにうけた楽しい絵本」を紹介します。

★じごくのラーメンや(苅田澄子作/教育画劇)

すごい絵本を見つけてしまいました。
最近いたずらがすぎるわが子に、日本古来からのしつけである「地獄」を味わわせてやろうと、何か絵本はないかと探していたときのことです。
最近、書店には地獄に関する絵本がたくさん並んでいます。
漫画家の東村アキコさんが、子育てエッセイ漫画で紹介し、流行ったそうです。
しかし想定以上に怖ろしい絵本が多く、わたし自身が「怖すぎて家に置きたくない…」と尻込みしていたところ、偶然京都旅行中に「レボリューションブックス」という食の本専門の書店で見つけました。
それが、強烈なインパクトがありながら、どこかとぼけていてかわいい気もするえんま様が表紙の『じごくのラーメンや』です。

お話は「じごくだいきらい!」とみんなに言われ、天国に対抗心をメラメラと燃やすえんま様が、自分の大好きなラーメンを振舞う、というもの。
その設定がまず「なんだそりゃ~」。
大釜でグラグラと湯だっているのはラーメンのスープ、というのが面白すぎます。
唐辛子がたっぷりと入った真っ赤なスープはとっても辛そう。
そうしてできた地獄名物「ちのいけラーメン」は、案の定、誰も食べられる人がいません。
気の短いえんま様はかんかんに怒るのですが、「じゃあ、どんぶりいっぱいたべたらごほうびに天国へいかせて」というお願いに、またしても「よっしゃ、わかった!」と安請け合いしてしまいます。
えんま様、ノリが良すぎです~。
こうして天国に行きたい人たちによって大人気(?)となる地獄のラーメン屋「えんま軒」には、ついに噂を聞きつけ天国からも仏様ご一行がやってきて…。

ここからは読んでのお楽しみ。
テンポの良い話し言葉で進むお話は、なぜかこてこての関西弁を話す仏様、またしても安請け合いしてしまうえんま様等、1ページ1笑い間違いなし。
当初、絵本を探していた目的である「地獄は怖いから悪いことをしてはいけない」という役割は全くないのですが、一風変わった「地獄」が味わえること受けあいです。(M)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。