「私たちの声を政治の場に届けたい」 若者による若者のための選挙啓発プロジェクト『ナリコネ』

NARITA VOTE CONNECT(通称『ナリコネ』)は、成田市の若者の投票率を上げることを目的に、若者自身によって立ち上げられたプロジェクトチームだ。若者や未来を担う子どもに向けた選挙啓発のイベントの企画、チラシのデザイン、情報発信など、活動は多岐にわたる。現在のメンバーは4名。大学生や専門学生など、異なる経験と知識を持つ多様な人材で構成され、月1回ほど平日夜に集まり、自由な議論を重ねながら企画を練っている。

地道な活動から始まった一歩

2024年7月の活動開始から約1年、ナリコネはイオンモール成田での「ゆるキャラ選挙」や「シールアンケート」など、若者に親しみやすい形で選挙啓発イベントを実施してきた。2025年3月の千葉県知事選挙では、選挙管理委員会の委員らとともに駅前でのティッシュ配布にも参加し、街頭での啓発にも力を入れた。

さらに、成田市が従来行っていた18歳有権者への啓発文書を、メンバーがデザイン面から刷新。ポップで目を引く若者向けのチラシに生まれ変わった。新たに選挙人名簿登録を証する「賞状」も同封するなど、選挙への意識を高める工夫を重ねた。リニューアル後のチラシは、これまでに約1300人の新成人に届けられている。

SNSを軸に認知拡大を狙う

9月下旬、成田市役所で行われたミーティングのテーマは「いかにSNSのフォロワー数を増やすか」。活動は着実に積み重ねているものの、まだまだ自分たちの活動が同世代に広く伝わっている実感はない。若者の投票率を上げるためには、まず自分たちの存在を広く知ってもらう必要がある。

約1ヶ月後の10月12日に国際医療福祉大学成田キャンパスで行われる「成翔祭」でのブース出展がすでに決まっているので、当日にどのような仕掛けで来場者に立ち寄ってもらい、SNSフォローにつなげるかが議論の焦点に。メンバー間では活発なアイデアや意見が飛び交った。

成翔祭当日、ナリコネブースを訪ねると、若者の間で人気のある性格診断を選挙向けにアレンジした「ナリコネ流・性格診断」をアンケートを楽しむ来場者の姿があった。

この性格診断は、10の質問で投票行動を「空気読み派」「雰囲気重視」「人柄重視」「政策ガチ勢」の4タイプに分けるというもの。診断を受けた人にはそれぞれのタイプを表したカードを渡し、会話のなかでInstagramアカウントを紹介。自然な流れでフォローを促すなど、来場者との接点を丁寧に築いた。

「決して数は多くなかったかもしれませんが、同世代を中心に、他の世代の方々にも私たちの活動を知ってもらうことができたと思います」とメンバーの三浦さんは手応えを語ってくれた。

「無関心ではいられるけど、無関係ではいられない」メンバーそれぞれの思い

「若者の投票率向上」を目標に掲げるナリコネだが、もともと政治や社会課題に対する意識が高いメンバーばかりではない。「これまで選挙に特に興味があったわけではないけれど、だからこそこうした場に参加してみて、他の人の意見を聞いたり選挙を楽しんでみたいと思った」と鈴木さんは語る。同じく藤本さんも、もともとは自身の趣味である車にかかる税金をきっかけに、政治に関心を持ち始めた一人だ。「身近なもの・好きなものと政治は結びついている。選挙での投票結果が、自分の好きなものにつながっていることを実感できれば投票率も上がるのでは」と、若者の政治参加に向けての思いを語ってくれた。

中嶋さんは「政治って、無関心ではいられるけど、無関係ではいられない。関心を持つ若者が増えれば、声を届けるチャンスが生まれる。こうした流れを共につくる仲間を増やしたい」と呼びかける。「投票に行かない人、行っても変わらない人と思っている人たちにこそ、『あなたの声は届く。届けば社会はきっと変わる』と伝えていきたい」と三浦さんは語る。「若者の声を届けなければ、明るい未来は訪れない。明るい未来を今の子どもたちに受け継いでいく使命と責任が、若者にはあると思うんです」。

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一緒に活動してくれる仲間を募集しています!

成田が好きな方、選挙や政治に興味のある方、ボランティアに関心のある方などなど…。「ナリコネ」メンバーとして一緒に活動してくれる方を募集しています。

応募資格

成田市在住、通学、通勤の18〜30歳までの方

活動内容

ミーティング(月に1〜2回程度・平日夜)

若者に向けた選挙啓発

啓発物の企画・デザイン など

活動場所

成田市役所

もりんぴあこうづ など

定員

20名程度

下記フォームよりご応募ください
https://logoform.jp/form/kR3j/555671

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。