【子どもと一緒に読みたい本・絵本】⑨ 『思い出のマーニー』

子育て奮闘中!のママが「子どもと一緒に読みたい本」「本当に子どもにうけた楽しい絵本」を紹介します。

★思い出のマーニー 上・下(ジョーン・G・ロビンソン/岩波少年文庫)

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子どもの頃、どれだけの時間とお金を岩波少年文庫にかけてきたことでしょうか。
しかし当時は目に留まらなかったのが「思い出のマーニー」。
一昨年にスタジオジブリでアニメ映画化されたことでとても有名になりましたが、もとはイギリスの児童文学の名作だそうです。
久しぶりに「岩波少年文庫」を読みたくなったこともあり、わたしも原作を読んでみました。

少女「アンナ」は疲れた心を癒すため、養い親のもとを離れて海辺の村の老夫婦にあずけられます。
無口で人と関わりたがらないアンナですが、同い年の不思議な少女「マーニー」と友だちになります。
しかし村人はだれもマーニーのことを知りません…。

タイトルといい、裏表紙に書かれているあらすじといい、初めて手にとったときは「地味な本だなあ」と思ったのが率直な感想でした。
しかし読んでみるとすぐ物語に夢中に。
少女の心を癒す美しい自然描写と、日に日に仲良くなるマーニーとの会話に引き込まれます。
互いのことや考えていることを話すことで、それぞれの心に変化が起こる様には心打たれます。

マーニーがある日、無人の風車小屋にアンナを置き去りにすることで物語は大きく動くのですが、その後アンナが養い親であるおばさんに心を通わすようになったり、マーニーが住んでいた家に越してきた子どもたちと仲良くなり、明るさと元気を取り戻す様子には、アンナの成長も感じさせ、ほっとします。

そして物語の後半では、マーニーの家に住む子どもたちとアンナが、マーニーの秘密を知ることに…。

あっと驚く謎解きは、タイムトラベルのおもしろさもあり、感動しました。
最初に「地味」なんて思って、本当にすみません…。
すでに映画版を見ている方にも、ぜひ読んでいただきたい一冊です。 (M)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。