芝山町にあるチワワ専門犬舎「NAMIX」のオーナー浪江茂樹さん。部屋に案内されて驚いた! 壁と棚は、数え切れないほどトロフィーや賞状がびっしり! 浪江さんは1998年~2014年、17年連続で日本№1(ペディグリーアワード)のチワワを選出している、凄腕ハンドラー&ブリーダーなのだ。
1944年生まれ。若い頃、住み込みで働いた雇い主の趣味が、秋田犬の展覧会への出展だった。犬好きの浪江さんが、いつしか面倒を見るようになったのが、この道に入るきっかけだ。10代から(社)日本犬保存会、(社)秋田犬保存会に所属していたが、マンション生活になった時にチワワを飼育。それを機にチワワのハンドリング、ブリーディングを試みるようになり、1999年、「NAMIX」を開設する。
現在、チワワ50頭弱、ハスキー1頭、ウィペット3頭、ボクサー7頭の他、お客様から預かっている犬が30頭ほどいる。アメリカのトップラインを基礎に、イギリス名門犬舎の血統を導入するなど、血統を重視し、無理な繁殖はせず、健康健全なチワワの作出を心がけている。
浪江さんの生活は超忙しい。週末はほとんど、日本全国のドッグショーにお客様やNAMIXの犬を出展するからだ。日本のみならず、アジアを中心として、多いときは1年に8回、海外のドッグショーにも挑戦する。
犬種の質的向上・繁殖の向上を目的に、FCI(国際畜犬連盟)やJKC(ジャパン ケネル クラブ)などが開催する、犬種美を競うドッグショーで、犬を引くのがハンドラー。犬の優れた特徴をうまく引き出し、見せる技術が求められる。「犬の邪魔にならない引き立てる歩き方」を心がけているという。
ドッグショーで上位に行くまでの道のりは遠い。ドッグショーによって違いはあるが、3桁~4桁の頭数の出場犬が、基準にのっとり審査され、犬種・雌雄ごとにポイント制などでトップを競う。さらにトップ同士の中からキングとクイーンを選出、最後にはキングとクイーンの一騎打ちで真の1番を決める。
浪江さんの手にかかった犬たちの受賞歴は「数えられない」という。頂点を競ったのが、雌雄ともNAMIXの犬だったこともある。小さなチワワが全犬種と競うのは厳しいが、フィリピンで行われたアジア大会で獲得した優勝は、チワワ史上初の快挙だった。
そんな浪江さんは、チワワの第一人者として、犬の専門誌に登場することも多い。
チワワ以外の犬種を飼っているのも「チワワのハンドリングを、もっと良くする勉強のため」。歩き方は犬種によって、全然違うそうだ。「横に揺れるボクサーをハンドリングできると、チワワに応用できるんです。ずっーと勉強です」と謙虚に語る浪江さんに、情熱の源をうかがうと、「犬と接しているときが一番楽しい。自分には一番合っている」と、笑顔で、シンプルな答えが返ってきた。
NAMIX
千葉県山武郡芝山町山田150―1
℡090(2434)4646(浪江さん)
http://www.namix-chihuahua.com/