★魔女ファミリー ガラス山の魔女たち★
(エレナー・エスティス文/瑞雲社)
「何か面白い魔女の本はないか」といつも探しているくらい魔女の本が好きなのですが、久しぶりに大ヒット作を見つけてしまいました。
それが本書で、残念ながらすでに絶版となっているのですが、図書館では普通に貸し出しています。
お話は、魔女のかしらの「魔女ばあさん」が、突然魔女でもなんでもない女の子に何もないガラス山へ追放されてしまい、「いい魔女」にならなければハロウィンにも出てこられなくなってしまうというもの。
ワシントン育ちの普通の女の子エイミーとクラリッサが、魔女ばあさんの空想の絵を描くと、なぜか本当にその通りになってしまったのです。
エイミーとクラリッサは魔女ばあさんがいい魔女になれるように、と「魔女ファミリー」を思いつき、二人と同じ年頃の「ちび魔女」や「魔女の赤ちゃん」を仲間に送ったり、まるでペンフレンドのように手紙を送ったり、様々なやり取りが子どもならではの奇想天外さで、一気に読んでしまいました。
さて、ちび魔女の誕生日パーティーや、イースターの試練等々を通して、魔女ばあさんはハロウィンまでにいい魔女になれたのでしょうか?
魔女のかしらなだけあって、なかなか一筋縄ではいかない魔女ばあさんが、ついにやってくるハロウィンの晩のお話は「やっぱり魔女ばあさんに食べられちゃったらどうしよう!」というエイミーのドキドキと、ちょっとしたアクシデントもあり、お気に入りの一節です。
また、挿絵も物語の世界を存分に膨らませており、素晴らしい。
巻末には本を読む楽しさ倍増間違いなしの、「魔女ファミリー新聞」のおまけもついています。
「魔女学校の算数の計算方法」や、エイミー家の定番料理の作り方等、盛りだくさんの内容です。 (M)