金朝師匠が母校で授業♪ 生の落語に子どもたち生き生き!

成田出身の真打ち・三遊亭金朝師匠が、2学期の終盤、母校の成田市立神宮寺小学校で落語の授業を行いました。
授業を受けたのは、国語の教科書に落語『ぞろぞろ』が載っている4年1組。
同クラスでは、1学期に勉強した後、夏休みに好きな落語を覚え、2学期から帰りの会で発表するという教育活動に取り組んでいます。

dsc_7745図書室に設けられた「にわか高座」で、まず児童が覚えた落語を披露。
金朝師匠が『じゅげむ』を口演した後、児童が数人ずつ挑戦しました。
「上手にやろうとしないでいいからね。つっかえてもいいからね。思いっきりやってください」の金朝師匠の声掛けに、お父さん・お母さん・おばあさん・近所の子どもと、役を選んで『じゅげむ』を演じる児童の表情は生き生きと輝き、図書室が笑いにあふれました。

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【質問に答えて】

もう1席、金朝師匠が短い落語で、真打ちの話芸を見せ、子どもたちを笑わせた後は、子どもたちからの質問タイムとなりました。
質問の答えは奥が深いものもあり、金朝師匠の哲学が垣間見えるようでした。

dsc_7794Q.誰が師匠ですか?
A.三遊亭小金馬師匠です。

Q.弟子はいますか?
A.いません。

Q.いつから落語をやっていますか?
A.22歳です。

Q.いちばん最初にやった落語は?
A.『じゅげむ』です。
『じゅげむ』は単純だから難しい。
ステーキで美味しいと言ってもらうのは簡単だけど、白いご飯と味噌汁で美味しいと言ってもらうのは難しいというのと一緒です。

Q.落語の学校はありますか。
A.ありません。師匠について教わるしかないんです。

Q.落語の演目はいくつありますか。
A.数え方にもよりますからね。300くらいでしょうか。
小噺まで数えたら、もっとたくさんになりますが。

Q.落語の事務所はありますか。
A.落語協会というのがあり、私も所属しています。

Q.好きな噺は?
A.歌舞伎が出てくる噺が好きです。
落語の中で歌舞伎をやることもあります。
(と言って、見えを切る演技♪)

Q.笑点に出たことはありますか。
A.1回だけあります。

Q.落語家になって、いちばん苦労したことは何ですか?
A.いっぱいあります。今でも苦労しています。
(しばらく考えて・・)かっこつけちゃうことかな。
上手に聴かせよう、笑わせよう、かっこよく見せようと思うと、お客さんは聴いてくれない。
喜んでもらおうという気持ちでやると、聴いてくださる。
自分の心との闘いですね。

Q.覚えるのが難しかった落語は?
A.覚えるのは大前提ですからね。演じるのが難しいんです。
やっぱり『じゅげむ』は、落語の基本がつまってるから難しいです。

Q.落語の難しいところは?
A.落語は絵。テレビや映画のように映像ではなく、しゃべることで、みんなの頭の中、心のスクリーンに映像を映す。これが難しいんです。

Q.夢は何ですか?
A.大切なことは健康でいること。元気で丈夫に長生きすること。
風邪をひいて、ゴホゴホ言いながら落語をやるなんてことは、お客様にも失礼になります。
テレビ・ラジオに出たいと頑張っているわけじゃないんです。
テレビの限られた時間の中で落語を演じるのは難しい。
コマーシャルとか入ってしまいますからね。
落語家は寄席がホームグラウンド。
寄席でトリを務めるのが夢です。

【生の落語の迫力に 子どもたち釘付け!】

金朝師匠の話芸は、子どもたちを釘付けにしていました。
「面白かった~。いろんな人を演じ分けていて、迫力あって本物みたいだった」
「落語の落ちが面白かった。表し方がよかったです」と、目をキラキラさせながら話してくれました。

子どもたちは落語を演じるのも、臆せず大きな声で堂々と、何より心の底から楽しそうな笑顔がはじけていました。

金朝師匠は「とても良い子たちでした。お互いに気持ち良いから、正座でご挨拶からやってもらいました。最初は硬かったけれど、だんだん盛り上がる感じが良かった。
私は、子どもの時、不器用でした。何でもできちゃう子は、落語もすぐにできちゃうかもしれないけど、そうではない子に落語をやってもらいたかった」と、優しい表情を見せました。

先生方も、金朝師匠の授業で見せた、子どもたちの変化に驚いた様子。
「本で読んで覚えた落語ではなく生の落語、子どもたちも高座に上がって、いろいろな『じゅげむ』を演じる中で、どんどん良い落語をやろうという雰囲気になり、金朝さんのアドバイスを受けて、大きな声で生き生きと演じることが出来るようになりました。人生論まで勉強させていただきました。良い機会を持たせていただきました」と、感激の表情でした。

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この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。