昨年12月に、成田市文化芸術センター スカイタウンホールで開催された「観光立県フォーラム2015in Narita」。
外国人旅行者向け消費税免税制度の概要説明、インバウンドのカリスマによる講演、パネルディスカッションと、有意義な内容で、千葉県と成田の観光の将来を模索しました。
内容の一部を4回にわたってお届けします。
【外国人の受け入れ準備】
東京オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップを控え、千葉県は成田国際空港を擁することから、今後ますます訪日外国人旅行者の増加が見込まれており、その受け入れ準備が大きなテーマの1つとなっています。
こうしたことから、国のインバウンド(観光業界において、狭義に「訪日外国人旅行」)施策と消費動向、従来の名所観光ではなく、ショッピングも含めた都市の機能を楽しむ「アーバンツーリズム」の魅力、およびインバウンドへの波及効果を説明するフォーラムを、成田で開催したものです。
【インバウンドは重要なマーケット】
フォーラムに先立ち、主催の早川康一千葉インバウンド促進協議会長(マロウドインターナショナル成田取締役総支配人)は、2015年は11月までの訪日外客数が1796万人に達し、前年比47.5%の成長率であることに触れ、「おそらく2015年は1900万人に達し、そうなると経済規模は3.5兆円という非常に大きな数字を残せるものとなります。千葉県、成田市は、手を伸ばせば外国のお客様がたくさんいると羨ましがられますが、マーケットを精査し、ターゲットを絞り、接客技術を磨く、そういったところをしっかり頑張らなくてはなりません。少子化で、日本の観光マーケットが縮小していく中、インバウンドは重要な市場になっていきます。今日は、参加してよかったと思ってもらえるフォーラムにしたい」とあいさつしました。
【成田の課題】
来賓として祝辞を述べたのは、吉田昭二成田市副市長。
成田市には、観光客が年間1000万人訪れるスポットとして、成田山新勝寺、イオンモール成田、成田国際空港があると披露。これまでは日本人2対外国人1だったのが、最近は1対1、場合によると外国人の方が多く、参道でも外国人の姿が増えたと話しました。
しかしながら、成田の宿泊数は122万人で東京都の10分の1、それも泊って空港を利用するだけ、さらにもっと増えるべきなのに10年間数字があまり動いていないという課題もあげ、「もっともっとインバウンドの方に来てもらって、街を楽しんでいただきたい。今日は県内各地から来てくださったので、連携を取っていく、成田にとっても勉強をさせていただく良い機会をいただいた」とあいさつしました。(続く)