1月10日、成田市の神宮寺小学校グラウンドで、伝統行事「どんど焼き」が行われました。
どんど焼きは、小正月に、松飾り・注連縄(しめなわ)・書き初めなどを持ち寄り、積み上げて燃やす行事です。歳神様が天に帰る意味合いもあり、その火にあたり、その火で焼いた餅や団子を食べ、1年の無病息災・家内安全・五穀豊穣などを祈ります。書き初めの紙が高く舞い上がれば、字が上手になり、勉強ができるようになるという言い伝えもあります。全国に伝わる行事ですが、近隣では珍しいものになってきた「どんど焼き」を、同地区では住民が地域の絆をつないでいく行事として、復活させ、大切に継承し、神宮寺小学校を会場としてから24回目になります。
10時になると、玉造下座保存会によるお囃子が賑やかに奏でられ、神宮寺神楽ひょっとこ踊りが演じられました。
神主役の戸嶋禮助さんが祝詞をあげ、全員でお祈りした後、子どもたちがやぐらに点火すると、たちまち火が燃え上がりました。
下火になったところで、お待ちかねの餅焼き。アルミホイルに包まれたサツマイモも投入されました。
やぐら用20本、餅焼き用100本の竹は、12月に地域住民所有の竹やぶから、20人がかりで3時間近くかけて、かり出したもの。当日は朝8時から準備が行われました。15㎏の餅がその場でつかれ、200人分の豚汁も用意され、大勢の子どもや住民が舌鼓を打ち、笑顔が広がりました。
実行委員会の古谷正人さんは、「全国いろいろな地方出身の方がここに集まって暮らしています。その子どもたちにとっては、ここがふるさと。だから、ふるさと作りをしてあげたい。ひょっとこ踊りもいったんすたれましたが、残っているものを参考に復活させました。このような経験をしてもらって、大きくなったら、今度は自分たちで『どんど焼き』をやっていってほしい。ここから離れたとしても、行った土地でやってもらえれば、つながりが広がっていきますしね」と、子どもたちの豊かな成長のためにも、地域のつながりを深めるためにも、伝統行事継承が大切であることを語ってくれました。