滑河・小御門・名木・高岡 130余年の小学校の歴史 下総歴史民俗資料館

3月29日まで、成田市下総歴史民俗資料館で、企画展「下総4小学校の歩み―滑河・小御門・名木・高岡小学校―」が開催されています。

平成26年4月に小中一貫教育校として「下総みどり学園」に統合された、滑河小学校・小御門小学校・名木小学校・高岡小学校は、いずれも明治時代の開校です。小御門小は乗願寺、滑河小は昌福寺、名木小は東光寺、高岡小は民家を校舎として出発し、それぞれ130余年の歴史を刻んできました。今企画展では、4つの小学校に保管されてきた、さまざまな資料が抜粋して展示され、その歩みを紹介しています。DSC_3397

展示されているのは、校旗・校歌・ユニフォーム、沿革、ゆかりの校長先生、古今の写真、学校日誌、明治時代の卒業証書、文集、学校印、教具類、チャイム代わりの鐘など、多岐にわたります。、滑河小学校の大正時代の学校日誌には、皇族が小御門神社を訪れた際、同校が休憩所となり、剣道の試合を観覧されたことなどが書かれています。また、各校閉校式のビデオも上映されています。

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各学校の校旗、校歌、航空写真
高岡小学校に残る棟札・棟瓦・鐘
高岡小学校に残る棟札・棟瓦・鐘
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滑河小学校に残る明治時代からの学校日誌
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昭和30~50年年代に使用された教具や謄写版
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名木小学校で使用された明治時代の教科書
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明治時代の卒業証書、学習証書
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小御門小学校に残る明治時代からの学校印

 

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昭和30年代に使用された机と椅子

取材日にお話をうかがった横島忠治さんは、高岡小の教頭、滑河小の校長、小御門小の校長を歴任された方でした。「4校をトータルに集める機会がなかったので、良い企画だと思います。統合されて1年が経つ時期でもあり、タイミングも良い。これからまとめていくところはどこか…。こういう資料館があるといいですね」と、じっくりと資料に見入っていました。
同館では、「古い学校が統廃合でなくなっていく。この4つの小学校の統合も象徴的だと思います。同じ頃の開校ですが、4つの学校それぞれに歴史があります。校歌1つ取ってもエピソードは様々。また、4つの小学校の関係者でなくても、昔を懐かしむことができると思います」と話しました。

同館には、ナウマンゾウの頭骨化石(レプリカ)、国指定重要文化財の人頭形土製品(レプリカ)、市指定文化財ムササビの埴輪、玉作り工房の復元模型、県指定文化財猫作栗山古墳の石枕等出土品、その他、珍しいガラス絵馬、市内から出土した考古資料、農具や家具などの民俗資料など、旧石器時代から昭和まで、興味深い品々が、多数、常設展示されていますので、あわせて見学なさってはいかがでしょうか。

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市内各地から出土した縄文土器と弥生土器。 左から2番目は日本で唯一の人頭形土製品(重要文化財)
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玉作工房跡の復元模型

▽開館時間:9時~16時30分 (月曜休館)
▽成田市下総歴史民俗資料館(成田市高岡1500/℡0476(96)0080)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。