【インタビュー】都道府県女子駅伝 千葉3位に貢献した成田高校 加世田選手&笹野選手

1月15日に京都で行われた「第35回全国都道府県対抗女子駅伝競走大会」は、前代未聞の雪の混戦レースとなりました。

悪コンディションの中、千葉県3位に貢献した、成田高校の加世田梨花選手と笹野真愛選手にお話を伺いました。

 ◆1区(6km):加世田梨花選手(3年)

4位 19分30秒

昨年12月に行われた全国高校駅伝は、体調不良のため万全の走りが出来ず、この都道府県駅伝でリベンジすると強い決意を語っていた加世田選手。
高校駅伝と同じコースの1区を走り、実業団や大学生選手が35人、また高校駅伝全国優勝メンバーもいる中、1位と3秒差、高校生トップの4位でタスキをつなぎました。

先頭集団が3.6km地点で25チーム、4.3km地点でも2秒の間に20チーム、残り800mでも8チームという混戦のレース。
加世田選手は、終始先頭集団の2列目にピタリとつけ、様子をうかがいながら、軽快な走りを見せました。

一番左端12番のゼッケンが加世田選手
一番左端12番のゼッケンが加世田選手

Q.高校駅伝のリベンジはできましたか?

A.高校駅伝よりは自分らしい走りができました。
高架下(ラスト1.4kmあたり)までは体力を使わず、集団の真ん中に位置して、楽にいけましたが・・・。
高架下からが勝負と思って、仕掛けようと思っていたのに出来ませんでした。
誰かがスパートしたら行こうと思っていたのですが、実業団の人も誰も仕掛けず、自分も自信がなかった。
終わってから、実業団の人は強いと決めつけず、高校生らしくチャレンジできたのでは、と思いました。

今回は最後の最後、ラスト200mを切ってからがスパートでしたが、力不足で対応できませんでした。
自分は、長いスパンでラストスパートをかけるタイプ。
短いほど対応できる力がありません。
もっと前からスパートできたのに、周りを見ながらになってしまいました。
次に同じパターンになったら対応できるようにしたい。
ラストは実業団の人たちの意地を感じました。

Q.雪のレースになりましたが?

A.アップは雨天タータンで十分準備ができました。
センターライン寄りを走っていたのですが、すべりやすいマンホールを避けながらの走りになりました。
五条通を曲がるまでの前半は雪があり、跳ね返りの水がかかってグチャグチャの状態でしたが、後半は雪もありませんでした。
雪の経験は貴重でした。
京都の方々が直前まで雪かきをしてくださって、レースに影響はありませんでした。
本当に感謝です。

Q.実業団・大学の選手が35人もいる中、1位と3秒差の高校生トップは、すごいと思います。

A.1位に3秒とどかなかったのは、ラストの駆け引きが影響しています。
今の自分に足りていない弱さです。挑戦する自信が足りなかった。
先生にも、そこが大きいと言われました。出なきゃいけなかった。

けれど、実業団の人に勝ててたら、自信につながったかもしれないけど、ある意味よかった。
負けた意味、次につなげるシナリオ。
来年は実業団の人にもリベンジして、区間賞を獲りたいと思います。

 ◆7区(4km):笹野真愛選手(1年)

6位 12分40秒(区間3位)

6位と1秒差の5位でタスキを受け取った笹野選手。
5区・6区は選手の顔が判別できないほどの大雪になってしまいましたが、7区は小降りになり、後半は日差しも出てきました。
笹野選手は、3位集団6チームの位置をキープし、先頭2チームとの距離を縮める区間3位の快走。
5位と同タイムの6位でタスキをつなぎました。


笹野さんQ.7区を走るのは、いつ決まったのですか?

A.正式に発表されたのは前日ですが、2日前の試走で7区を走ったので、予想はしていました。

Q.すごい雪のレースになってしまいましたが。

A.アップをいつもの倍やって、冷えないように努力しました。
アームウォーマーもしました。
京都の人が雪かきをしてくださって、コースは雪がなく、アップの場所もありました。
すごく有難かったです。

Q.寒さは動きに影響しませんでしたか。

A.アップがしっかり出来たので、身体が動かないとは感じませんでした。
タイム設定は12分35秒だったので5秒遅くなりましたが、あのコンディションで、ほぼ設定通りに走れたのは自信になりました。

Q.レースを振り返っていただけますか。

A.自分の前の人が、いいペースで走ってくれたので、ついていきました。
集団走になったことが良かった。
入りの1000mだけは遅くならないように、と気をつけましたが、後は何も考えていませんでした。
よく覚えてないんです(苦笑)。

でも、自分にとって、ちょうどよい力加減で走れる区間だったし、雪も降っていなかったのでラッキーでした。
区間1位の須磨学園(兵庫)の人より、前の順位でタスキをもらえたことも、離されずにすんだ要因の1つです。

Q.1年生で区間3位の走りはすごいですね。
中学時代の最高成績を教えていただけますか。

A.3年生の時の関東大会1500m2位です。
全国大会では、力を出せず予選落ちした悔しい経験があります。
中学でやり残したことを、高校でやろうと思っていました。
今までやってきたことが結果に出てきたので、継続していこうと思います。

Q.今回の走りは、満足度何%ですか?

A.・・・70%です。
区間賞を獲れたチャンスを逃してしまいました。
自分は常に挑戦者という思いで、周りにまどわされないようにしていますが、今回の区間賞は、1位も2位も1年生です。
悔しいです。


2区を走り、順位を1つ上げてタスキをつないだ成田高校陸上部OGの上田未奈選手(城西大学2年 3位 12分51秒(区間11位))については、成田高校の松澤誠監督が、「上田は力を出しました。決して悪くはなかった。2区はレベルが高かった。前が強すぎました」と話してくれました。

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千葉県選手団

 

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。