【なかま】 成田高等学校・付属中学校 音楽部

【雰囲気は和気あいあい】

「集中して!」「はい!」。
放課後の音楽室に響く声。
一瞬静まり返った後、素敵なハーモニーが空気を支配し始めました。

成田高校と付属中学校の音楽部42名は、合同で活動しています。
現部員の楽器構成は、バイオリン7、ビオラ3、チェロ3、コントラバス3、フルート4、オーボエ2、クラリネット5、サックス4、トランペット2、ホルン3、トロンボーン3、ユーフォニアム1、パーカッション2と、管楽器が多いのが特徴。
演奏会やコンクールに応じて、オーケストラ、吹奏楽など、いろいろな構成で演奏を行います。
少人数なので、OB・OGがヘルプに入ることもあるそうです。

部の雰囲気は「かなり和気あいあいと楽しくやっています」と横尾実咲部長(高2)が話すように和やかです。
練習中、先生は、個々への厳しい注意も笑顔で伝えていました。
生徒も伸び伸び、時には笑いを交えて応えます。

【年間活動】

毎年6月に行う定期演奏会で、それぞれ3年生は引退。
7月後半は野球応援、末には管楽器メンバーが「千葉県吹奏楽コンクール」に臨みます。
今年は中・高それぞれがB部門(人数30人までの部門)で銀賞を獲得しました。
10月29日には、県吹奏楽連盟の推薦により「千葉県吹奏楽祭」にオーケストラで参加、11月23日にはアンサンブルコンテスト印旛地区予選で、金管四重奏が銀賞を獲得しました。

数々の受賞歴

ほどなく26日は「成田ブラスの祭典」にステージドリルで出演。
12月下旬には、東京五輪に備えて新しくなった日本青年会館で開催される、全国約60校参加の「オーケストラフェスタ」に参加します。
「オーケストラをやっている学校は少ないので、音質・構成など、他のオーケストラの演奏を聴けるのは勉強になります。このフェスタくらいでしか聴けません」と横尾部長。
その合間に、ゆめ牧場、イオンモール成田、イオンタウン成田富里などで、依頼演奏も行っています。

【人と比べない!それぞれの高みを目指して】

指導するのは、オーケストラ担当の若林浩先生と、吹奏楽担当の鈴木敏道先生。
そのほかに、パートごとに外部講師にも指導を受けています。
指導上、大切にしていることを先生方にうかがうと、「人と比べるのではなく、生徒それぞれが、目指すべきことをきちんと目指して練習すること。上手い下手ではなく、個々のレベルレベルで自分の目指すところに到達する、その目指す姿勢が音楽に表れればいいと思っています。
また、上手い人は下手な人を引き上げる、下手な人は上手い人を認める謙虚さが、いちばん大切」と話します。

生徒たちは、朝と昼休みには自主練習を行っています。
「一人ひとりが研さんを積み、レベルアップしています。こちらが教わるようです。教員もこのメンバーなら、やる気になります」と鈴木先生は目を細めます。

【12/17 成田国際交流コンサートで第九に参加】

今、練習で取り組んでいるのは、12月17日に開催される第32回成田国際交流コンサートで演奏する「ミサ曲ト長調」「新世界」「第九」。
なんとプロとの共演です。

同部は2006年から、このコンサートの「第九」のオーケストラを、プロに代わって担当しています。
プロのバリトン歌手でもある若林先生が、時には歌いながら第九を練習するという贅沢さ。


「高校生が第九をやるのは大変難しい。今年で12年目ですが全国的にも珍しく、文化的にも貴重な試みだと思います。
主催する成田楽友協会の顧問は、新勝寺の貫首・橋本照稔猊下。
第九の歌詞『人類みな同胞』は、真言宗智山派の精神と重なります」と若林先生。
横尾部長も「第九は誰でも知っている大曲。プロの方々と演奏できる機会があるのは、成田高校ならでは。コンサートに向けて、部員は一致団結して頑張っています」と意気込みます。

コンサートには若林先生もバリトン担当として出演します。
「ロシア人ピアニストのソロがあったり、新勝寺のお坊さんたちの声明があったりと、バラエティーに富んでいます。ぜひ足をお運びください」。

▽12月17日(日)14時開演(13時30分開場)
▽成田国際文化会館大ホール
▽曲目:シューベルト「ミサ曲ト長調」/真言宗「成田山声明」/ドヴォルザーク「新世界」第4楽章/ベートーヴェン「第九」第4楽章
▽一般2000円(前売1500円) 高校生以下1000円(前売500円) ※全席自由
※未就学児は入場できません。無料託児室をご利用ください(3日前迄に成田楽友協会事務局に要予約。当日申込不可)。
▽チケット取り扱い:成田楽友協会事務局(℡0476(27)1011)/成田国際文化会館(℡0476(23)1331)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。