村上が日本一! 飯田が準優勝! 男子マイルリレーは関東選手権優勝! 女子3位! 夏の終わりに 成田高校陸上部 大暴れ♪

8月後半に行われた、「第89回関東陸上競技選手権大会」と「第4回全国高等学校陸上競技選抜大会」で、成田高校陸上部が、見事な結果を残しました。

【第4回全国高等学校陸上競技選抜大会】 8月27日・28日 in大阪

変則的な距離や限られた種目の、参加標準記録を突破した選手が、日本一を競う全国大会。
村上夏美選手が300mハードルで日本一に、飯田詩央選手(成田西中出身)が三段跳びで準優勝に輝きました!

★女子300mハードル 1位 村上夏美(2) 41秒82
img_1_m1インターハイの400mハードルで、3位に入賞した村上選手。
この大会の優勝を目指して練習し、見事に実現させました。
300mハードルは8台の勝負です。
8台目で足が合わなかったといいますが、執念の踏ん張りを見せ、倒れ込みながらのゴールで、日本一の栄冠をつかみました。
「400mハードルの後半は、あまり得意ではなく、最後の方は17歩から19歩に切り替えますが、300mは最後まで17歩でいけて、400mより走れました。
最後はカッコ悪い1位の取り方になってしまって悔しいですが、優勝はうれしく思います」。

★女子三段跳 2位 飯田詩央(3) 12m33
 決勝の最終跳躍を残す時点で、ほかの選手が全員12m以上の記録を出しているなか、飯田選手だけが11m台の8位という崖っぷち。
「なんとか12m跳ばなきゃ・・・」と思い、ラストジャンプのピットに立つ前、中原監督に呼ばれます。
「自分が今までやってきた練習と、後ろにいる仲間を信じて跳んでこい」。
img_3_m1「そのおかげで緊張せず、楽しんで跳べました」と、自己新の大逆転で準優勝をもぎ取りました。

もともとは、走り幅跳びだけに出場していた飯田選手ですが、1・2年時は伸び悩んでいました。
中原監督に勧められ、三段跳びを初めてから、相乗効果で両競技とも記録が伸び、今年の県大会では走り幅跳び5m77で優勝と大躍進しました。

三段跳びは、今年4月に跳んだ12m23がいきなり全国ランキング1位(当時)に!
しかし、今大会6日前の関東選手権では、11m82で入賞に1歩およばない9位という悔しい結果となりました。
三段跳びもまだまだ開発途上という飯田選手。
着地に入るとき、足を抱え込まなくてはいけないのに、前に投げ出してしまう傾向の改善に取り組んでいます。
「関東選手権より抱え込めるようになりましたが、まだまだです。今回1位の人とは、ホップ・ステップまでは同じ距離が跳べるのですが、ジャンプが下手なので、ジャンプが改善できればまだ伸びると思います」と楽しみな言葉。

dsc_7300最終学年で花開いた要因をうかがうと、「昨年のキャプテン・豊田麗先輩(成田西中出身)は、みんなのお手本になって、競技でも結果を出して、チームを引っ張っていました。自分がキャプテンを引き継ぐことになって、今度は自分が豊田先輩のようにチームを引っ張っていきたいという気持ちが強くなり、頑張らなくてはと思いました。筋力が弱いので、冬季練は、意識して筋トレやウエイトトレーニングを増やしました。先輩たちと冬季練を乗り越えられたことが良かったです」と話してくれました。

次の試合は10月下旬の日本ジュニア選手権。
「今回1位の人に勝ちたい。大学生ともなんとか勝負して、ベストを出して上位に入りたいです。12m50以上跳んで3位以内」と、目標を公言してくれました。

 

★男子300m 6位 伊東利来也(3) 33秒79
インターハイの400mで6位入賞を果たした伊東選手は、300mに出場。
400mと300m、200mまではレース展開が似ていますが、200mから300mまでの戦い方が違うそう。
400mは少し休む区間ですが、300mは最後まで飛ばさなくてはなりません。
「前半200mは良い流れだったんですが、ラスト50mでスパートが最後まで続きませんでした」と分析します。
次の試合はいわて国体。
「400mで46秒台を出すことが目標。決勝で出せば順位もついてくると思います」と、次こそは!の決意をのぞかせました。

浮貝雅希選手(成田市立遠山中出身)は、1年生として唯一、準決勝に進出しましたが、決勝進出まであと1人のところで及びませんでした。
しかし、準決勝の33秒98は、決勝7位に相当する記録です。

★男子300mハードル 5位 本間諒太(2) 37秒65
インターハイ400mハードルで7位に入賞した本間選手は、今回の結果を「自分の中では悔しさ半分、嬉しさ半分」と表現しました。
インターハイで勝った3人に負けた悔しさと、インターハイより順位が上げられた嬉しさ。
複雑な思いです。
精神的にも連戦の疲れを感じていましたが、「インターハイで決勝まで行ったから、予選で落ちるわけにはいかない」と臨み、8位で決勝進出します。
決勝は「しっかり走れた」と、予選よりタイムを0.6秒あげました。
それでも、「300mの方が400mより速いはずなのに、1台目を跳び終わったときのタイムが、インターハイ8台目と同じタイムでした。連戦でもベストが出せる選手にならなくてはいけない。国体、頑張ります。400mハードル3位以内」と、次につなげる分析と目標を話しました。

《中原浩一監督の談話》
村上選手は、さらなる進化をしている中、インターハイにはない種目の選手権大会でもあるこの大会で、念願の優勝、日本一に輝きました。
しかし、8台目、脚が合わず、そこで体勢が崩れ、倒れこみながらのゴールになりました。
今年のリオオリンピック女子400m決勝で見た光景と全く同じ状態でした。
なんとか倒れるのを我慢しながら走り、倒れながらのゴール。
決してカッコよくありませんが、心から感激し、心配したゴールでもありました。
日頃から、走りきり(ゴール前で力を落とさない)を徹底し、執着心を出せたレースでした。
日本一になるのは、並大抵では出来ないことで、日々の村上選手の努力、向上心の賜物です。

飯田選手が、とうとうやってくれました。
感激し過ぎて、嬉しくて、嬉しくて、涙が止まらないポップ・ステップ・ジャンプになりました。
3年間コツコツと、いつも課題を持ち、日々思考しながら練習をこなし、同輩・後輩の面倒を見てくれる、努力とは飯田のための言葉と言っても過言ではありません。
日本一の女子キャプテンです。

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伊東選手は、自分に厳しく、ラスト50m固まってしまったと、ひとしきり反省していましたが、確実にスピードと持久力に磨きがかかっています。
秋のシーズンは確実に46秒台は出ると考えられます。

本間選手もインターハイに次いでの全国入賞。
着実に力を付けている、次の成田高校のエースです。
さらなる進化期待大です。

【第89回関東陸上競技選手権大会】 8月19日~21日 in千葉

日本選手権の関東地区予選を兼ね、大学生以上とも勝負できる一般の大会です。
4×400mリレー(マイルリレー)で、男子は見事優勝、女子も3位に輝きました。
★男子(本間・伊東・荘司晃佑(1)・浮貝) 優勝 3分12秒53
今大会は走順を変更。
初めての1走となった本間選手が、力を発揮しました。
「3走は他の選手と固まって(集団になって)しまいますが、1走はレーンが分かれているので、タイムが向上しました。前半、変な力みが全くなく、自分の走りが出来ました」。

そして、アンカーを任された浮貝選手が、ゴール直前で大学生たちに競り勝ち、優勝をもぎ取る爆走を見せました!

〔作新学大(栃木)、東海大(神奈川)、駿河台大(千葉)とのゴール前での激走!〕

 

僅差の2番手でバトンを受け取った浮貝選手は、その瞬間に1番に躍り出ます。
しかし、「自分はバトンをもらった時から力んで飛ばしていましたが、大学生は冷静でした」。
第3コーナーで詰められると、直線に入ってから大学生に囲まれ、抜かされます。
しかし、ラスト30m。
「なぜ抜き返せたか、自分でも分かりません。気持ちかな?自分のレーンだけ運よく空いてて、内側から抜け出られました。(足が地面を)おせました」と、驚きの爆走を分析しました。

メンバーただ1人の3年生・伊東選手は「自分は自分の走りができませんでしたが、本間の力を引き出せたレースになりました。浮貝はラストに刺せる力がついてきた。今回は後輩に助けられました」と、しみじみした様子で話してくれました。

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★女子(齋藤夏乃(2)・並木静香(3)・清野真帆(3)・村上) 3位 3分49秒72
女子はラスト100mまで2位でしたが、大学生に追われ、惜しくも3位に。
新キャプテンになった村上選手が、「後半の走り方を練習で克服したい」と、大学生相手に責を負いました。

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《中原浩一監督の談話》
関東選手権大会は、一般の試合です。
ここで勝ち上がるのはとても大変なことですが、伊東選手が中心となり、日頃出来ない大学生と好勝負ができました。
今年の岡山インターハイ男子マイルリレーは、決勝でのアクシデントにより、洛南高校(京都)・相洋高校(神奈川)との直接対決で置いていかれましたが、秋、もう一度、直接勝負する舞台に立つことが出来るようになりました。
昨年、優勝を目指して臨んだ和歌山インターハイは4位入賞でしたが、秋の日本選手権リレー大会で、2015年日本高校ランキング1位の記録を樹立し、インターハイの悔しさを晴らした大会になりました。
今年も再び、洛南・相洋とのガチンコ勝負と、初の決勝進出、高校記録、3年連続高校ランキング1位を目指して、さらなる進化に向けて精進します。

【6人が岩手国体出場に内定】

8月6日に行われた「国体千葉県最終選考会」で、成田高校から6人の出場が内定しました♪

★少年A男子400m 伊東利来也選手
★少年A男子400mハードル 本間諒太選手
★少年B男子走幅跳 宮﨑諒也選手(1)
★少年A女子400mハードル 村上夏美選手
★少年A女子3000m 加世田梨花選手(3)
★少年B女子800m 石川英沙選手(1)

「希望郷いわて国体」の陸上競技は、10月7日~11日です。
千葉県代表として、頑張ってください!

(写真協力:中原監督 保護者のみなさま)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。