『飯田町 山車物語』

成田市飯田町の夏祭り「琴平神社祭礼」は、昭和58年に復活し、今年で34回目の開催。
平成24年には、祭礼復活30周年を記念し、山車の彫刻を新調しました。
彫刻には、子ども祭りに相応しく、優しさと温もり、区民の皆さんの先人への感謝、後世への思いがたくさん込められています。

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飯田町の方にお話をうかがいました。

【彫刻師は江森社寺彫刻 江森南峯さん】

上記の思いを形にしてもらうため、成田市または近郊の方にお願いしたいと探し、成田市久住の江森さんに出会いました。
花崎町さんの山車彫刻も担当した方です。
優しさや表現力の豊かさ、躍動感ある彫刻を彫られる方だと思います。

【上段は大国主命と因幡の白兎】

高齢者から子どもまで、誰もが知っている大国主命(オオクニヌシノミコト)が施されています。
因幡の白兎の歌詞になぞらえた、4枚の彫刻をはめ込みました。

【中段は唐子絵図】

江戸城大奥の襖にも描かれていたことからもわかるように、「唐子絵図」には、子孫繁栄・子どもの健やかな成長への願いが込められています。
子どもたちが川で遊ぶ姿、勉強する姿、お手伝いをする姿が彫られています。
「子どもたちよ。よく遊び、よく学び、よくお手伝い」ですね。

【下段は印旛沼・飯田町古風景と 松竹梅蘭菊】

飯田町の古老に聞いた、印旛沼や飯田町の昔の風景を彫っていただきました。
印旛沼古風景には、昔見られた魚などや、夫婦円満の願いも込めて、おしどりも泳いでいます。
縁起物の中に、水物を使うと火除けにもなるそうです。
飯田町の辺りは、今は住宅地になっていますが、昔は飯田新田と呼ばれ、麦畑もあったそうです。
麦畑での農作業風景も彫られています。

下段の後ろは、江森さんの提案で松竹梅に蘭と菊、五聖と言われ、大変縁起がよく、華やかな彫り物になっています。

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【未来永劫残したい山車 語り継ぐ彫刻】

飯田町の山車には、このような町民の方たちの想いが、たくさん込められています。
おじいちゃんが孫に彫刻の説明をしている、そんな姿が見られます。
山車を造った頃のお父さんたちの想いを彫刻に込めて、国指定重要無形民俗文化財・新和下座連さんの佐原囃子にのり、町の氏神様が町内をまわる、飯田町の夏祭りは、そんな祭りです。


飯田町の夏祭り。山車の彫刻にも注目ですね♪

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。