成田高校陸上部が、10月に開催された各種全国大会でも大活躍を見せました。
大坂智哉選手が三段跳びで全国優勝、村上夏美選手が400mハードルで高校1年全国歴代1位、男子マイルリレーが今季高校ランキング1位と、3つの全国№1をゲットしました。
(敬称略。名前の後の数字は学年)
【わかやま国体】10月2日~6日
《少年男子A400mハードル》準優勝:山本竜大(3) 51秒59
《少年男子B走幅跳》準優勝:青栁柾希(1) 7m04㎝
《少年男子共通5000m競歩》5位:永原秀人(3) 20分29秒34
《少年女子A3000m》5位:加世田梨花(2) 9分16秒35
成田高校だけで、千葉県に22点貢献する大健闘です。
また、OB尾又平朗選手(チームミズノ)が成年男子走高跳2m15で4位、OG上田未奈選手(城西大)が成年女子1500m4分22秒14で5位になり、Team成田高校はあわせて31得点をあげました。
【JOCジュニアオリンピックカップ「日本ジュニア・ユース陸上競技選手権大会」】
10月16日~18日
ユースは高校1・2年がエントリー、ジュニアは高校3年・大学1年がエントリー。
山本選手が大学生と対等に戦い、6位入賞です。
大坂選手が全国優勝、村上選手が大会新・高校1年歴代1位の快挙を成し遂げました。
[男子]
《ユース三段跳》優勝:大坂智哉(2) 15m05
《ユース走高跳》準優勝:河野裕人(2) 2m00
《ユース400m》3位:伊東利来也(2) 47秒96
《ジュニア400mH》6位:山本竜大(3) 51秒91
[女子]
《ユース400mH》3位:村上夏美(1) 59秒17
※大会新 日本 高校1年歴代1位
《ユース走幅跳》7位:菅原千尋(2) 1m70
【第99回日本選手権リレー大会】 10月24日
男女とも念願の出場資格を得て、初のアベック出場を果たし、大学生・実業団相手に大健闘を見せました。
男子(伊東利来也(2)・山本竜大(3)・秦弘樹(3)・本間諒太(1))は、今季高校ランキング1位、全国歴代3位の3分09秒86をマーク!
女子(太田麻香(3)・村上夏美(1)・並木静香(2)・豊田麗(3))の3分42秒15は、千葉県新記録・千葉県高校新記録です!
予選2着プラス2が決勝進出ですが、成田高校男子は、強豪大学生(早稲田・大東文化・日本体育・岐阜経済・立命館・京都産業・関西学院・大阪教育大8校に混じって唯一高校生)との勝負で惜敗。
プラス2は、高校記録を出しても、決勝に進出できないぐらいレベルの高い試合でした。
【関東高校新人陸上競技選手権大会】10月24・25日
《走高跳》5位:河野裕人(2) 1m95
《400mH》3位:清野真帆(2) 1分04秒82
《走幅跳》3位:清野涼々花(1) 5m80
《三段跳》6位:飯田詩央(2) 11m64
《走高跳》7位:菅原千尋(2) 1m61
この大会は、日程が日本選手権リレーと重なったため、引率の先生・選手・サポートを含めて10名ほどの参加となりましたが、25日には、前日の日本選手権リレーを終えた参加・応援メンバーが、横浜から群馬県の正田醤油スタジアムに駆け付け、10時頃に全員が揃いました。
そんな中、前日の女子マイルリレーのメンバーとして横浜に行っていた清野真帆選手が、ほとんどアップも出来ずに、400mハードルの予選に出場。
それでも、予選2位通過で決勝に進出すると、決勝でも見事な走りで3位に入賞しました。
成田高校最後に登場したのは、三段跳び、女子新キャプテンの飯田詩央選手。
飯田選手は今年の夏から三段跳を始めたばかりですが、秋の県新人戦で見事に3位に入賞し、本大会の参加資格を得ました。
参加記録の10m92㎝は、出場27選手中、14番目の記録。
陸上部員全員がスタンドから応援、飯田選手が1本ごとに出す「行きます!」の声に「ハイ!」と大声で応え、鼓舞します。
1本目。その応援が飯田選手の力となり、追い風参考で公認記録ではないものの、初の11m超えとなる11m44㎝を跳びます。
中原監督も、1本ごとに飯田選手を呼び、身振り手振りを交えた熱血指導、それに応えるべく試技の間も集中してイメージトレーニングに励む飯田選手。
そして、2本目、5本目も大跳躍! 県大会から1ヶ月で自己ベストを72㎝も更新する11m64㎝で、素晴らしい6位入賞を果たしました。
【エコパトラックゲームズ】10月31日
《男子A400m》4位:山本竜大(3) 47秒48
※唯一の高校生入賞。タイムは、本年度高校ランキング9位(和歌山インターハイ3位相当)。
《男子B400m》4位:伊東利来也(2) 48秒01
《女子A400m》7位:太田麻香(3) 56秒69
《女子B400m》3位:村上夏美(1) 55秒57
中原浩一監督はこれらの結果を総括して「チームとして変わってきて、チーム力が上がってきました。大学で続ける選手が何人もいるので、この時期、3年生がまだこれだけ引っ張っている強さがあります。リレーは総結集。魂を込めて走ってる。リレーからチームが盛り上がって、枝葉となっている個人も全国で戦える選手が出て、結果が出ました。大坂の全国優勝が嬉しかった。村上は菅野先生(成田高校陸上部顧問。400mハードル高校歴代10傑の記録58秒55保持者)に肉薄してきました。来年には超えてもらいたい。それが菅野先生へのプレゼントになりますから。女子は有言実行で頑張ってくれました」と、選手たちを褒め称えました。
★注目ぴーぷる★ 大坂智哉選手(2年)
「JOCジュニアオリンピックカップ『日本ユース陸上競技選手権大会』」の三段跳びで、見事、優勝を飾った大坂選手。
記録は15m05㎝です。
中学時代は走り幅跳びが専門でしたが、高校ではかねてから挑戦したかった三段跳び1本で勝負しています。
1年の県総体で13m93を跳び、さっそく3位に入賞。
秋の県新人戦は14m22で準優勝。
一冬超えた2年県総体14m86(追い風参考)で優勝と、順調に階段を上ります。
南関東大会を14m75の3位で抜け、臨んだ今夏のインターハイは、14m63の10位で悔しい結果となりました。
国体最終選考会で14m80(公認自己ベスト)をマークし、国体に出場しましたが、8位に3㎝差の14m74で、惜しくも入賞を逃します。
国体から日本ユースまでは12日間。
「身体がまっすぐ入っていなかったので、基本を意識して練習しました」。
そして臨んだ日本ユース選手権。
試技3本を終え、1本目の14m69で決勝8人に残る5位通過。
予選で足が合っていない感覚があった大坂選手は、最終跳躍3本の前の2本の足合わせで、中原浩一監督のアドバイスを受け、スタートを60㎝下げたところ、「それでピッタリ合った」。
「3歩ともスムーズに流れる、はまった感じ」を得た4本目の跳躍で、14m97の自己新を出し、一気に2位に躍り出ます。
5本目、「助走がほんのちょっとつまったな。4本目と同じくらいかな」と思って計測を待つと、そこには15m05の数字が! 念願の15m超えを果たしました。
「最後まで、他の選手に超えられるかもとヒヤヒヤしていました」が、そのまま逃げ切ることができ、「ホッとしました。日本一というよりは15mを超えたことが嬉しかった」。
チームメイトに「おめでとう!」と言われて、やっと優勝の実感が湧きました。
銚子市在住。毎日往復3時間近く、電車に乗って通います。
練習時間の確保も大変だと思いますが、「この冬は本気で身体づくりをします。まだ体幹がしっかりしていないし、筋力も足りていません。今年のインターハイ優勝者は体つきが全然違っていました。来シーズンは、県から優勝し、インターハイで勝てるよう頑張ります。初戦で15m50をまずは超えたい」と、目標は明確です。
この1年で、記録を83㎝伸ばした大坂選手。
まだまだ鍛え甲斐のある、伸びしろのある身体。
来シーズンの活躍が楽しみです!