ナリコク演劇 今年は2人芝居『ジャスミンティの頃』 11/15 もりんぴあで無料上演♪

【速報】関東大会(南会場)出場決定!
11月20日(金)21日(土)22日(日)、第68回千葉県高等学校演劇研究中央発表会が行われ、『ジャスミンティの頃』(伊三野友章+成国演劇部=作)を上演した成田国際高校が、優秀賞第1席・全国高等学校演劇協議会会長賞、ならびに創作脚本賞・舞台美術賞を受賞し、第51回関東高等学校演劇研究大会(南会場)に出場することになりました。
なお第51回関東高等学校演劇研究大会は、2016年1月30日(土)31日(日)の2日間、龍ケ崎市文化会館にて行われます。


昨年、東日本大震災を題材にした1人芝居『繭の中』で、県大会最優秀賞、南関東大会優秀賞に輝いた成田国際高校演劇部。
今年の大会に臨む演目は、戦争の「記憶の継承」をテーマにした2人芝居『ジャスミンティの頃』です。
すでに9月に行われた地区予選を最優秀賞で突破し、11月20日~22日に県大会を控えるナリコク演劇部が、11月15日(日)、県大会プレ公演として、もりんぴあこうづMORI×MORIホールで、無料上演を行います。

地区大会の様子 シンプルな舞台装置と衣装がゆえ、演技力が光る
地区予選を最優秀賞で突破 シンプルな舞台と衣装がゆえ、演技力が光る

《あらすじとテーマ》
戦後70年の夏。祖母の家に入りびたる中2の孫娘しおり。祖母は認知症、孫娘は拒食症。祖母は孫娘のしおりを、ときどき「さとこちゃん」と取り違えているらしい。「さとこちゃん」とは誰なのか? 現実と幻想とが交錯する中、きれぎれに祖母の戦時中の記憶が語られてゆく。
作品のテーマは、記憶の継承。そこで問われるのは、つぎのような問いにほかならない。―戦争体験のない《わたし》が戦争を「思い出す」ことは可能であるか?―

脚本は、顧問の伊三野友章先生と成国演劇部。
戦後70年の今年、題材は最初から「戦争」に決めていたといいます。
この作品を創るにあたって、大きな影響を受けた出会いがありました。
1つは、テーマを「ピース」とした今年の文化祭の企画でインタビューした86歳の女性との出会い。そのとき聴いた戦時中のお話が、随所に織り込まれています。
もう1つは、写真家・石内都さんの代表作『ひろしま』との出会い。『ひろしま』は、広島平和記念資料館に保管されている被爆者の遺品を撮影したもの。被爆はしていますが、とても戦時下のものとは思えない、おしゃれでカラフルな衣類の写真も収められています。しおりを演じるただ1人の演劇部員・中村恵さんは「戦争をやっていても普通の生活があって、おしゃれをしたい気持ちなど、女の子として私たちと共通する部分もたくさんあったのでは。そう考えれば、あの時代も遠い昔のことではないような気がしてきます」と、役を身近なものにしていきます。

祖母役を演じるのは、軽音楽部員の佐伯七海さんです。中村さんに請われての出演ですが、とても助っ人とは思えない堂々とした演技です。「今年の文化祭のテーマ『ピース』には、『平和』という意味と『(パズルの)ピース』という意味がありました。私たち1人ひとりが『ピースPiece』となって、『ピースPeace』への願いをつないでいくという意味です。このお芝居も、戦争を体験したおばあちゃんが、体験したことのないしおりちゃんに、戦争の記憶や思いをつないでいく。私自身、おばあちゃんが大好きで、見ているだけで心がなごみます。ずっと一緒にいたい。そんな感じがお客さんに伝わればと思います」と意欲的です。

♪稽古の様子♪

作品のテーマは「記憶の継承」。
伊三野先生は、「戦争体験のない人が、戦争体験のない人に伝えていく時代になってきました。話を聴いたり、また想像したりして、戦争の記憶を次の世代に引き継いでいく。そのとき演劇は1つの有効な手段だと思います」と意義を語りました。
高校生が挑む、戦争の記憶の継承。
ぜひ、ご覧ください。

【成田国際高校演劇部公演『ジャスミンティの頃』】
▽日 時:2015年11月15日(日)10:30開演 公演時間約50分
▽会 場:もりんぴあこうづ(公津の杜コミュニティセンター)MORI×MORIホール
▽参加費:入場無料
▽主 催:成田国際高校演劇部
▽問合せ:0476-27-2610(成田国際高校・伊三野)
isano@mac.com
▽ブログ:http://narikokugekibu.seesaa.net/

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。