古筆・古写経を堪能しませんか?書道美術館で「松﨑コレクション」本日24日から

本日2月24日より成田山書道美術館で「青鳥居清賞―松﨑コレクションの古筆と古写経(II期)」が開催されます。(会期は4月22日まで)

成田山新勝寺に寄贈されたかつてない規模のコレクションは、今後重要な同寺の宝物の一群となるもので、そのお披露目の展覧会となります。(管理・研究は成田山書道美術館に移管)

今回コレクションを寄贈した松﨑中正先生と、その父松﨑春川先生は、武蔵野平野の豪農の当主として「青鳥居」と名付けられた幕末の家屋を構えています。

春川先生は書家として、また中正先生は英語教師であるとともに日本山岳会で活躍される傍ら、二代にわたって古筆や古写経の蒐集に精力を傾けられました。

青鳥居では主に春川先生が古筆を、中正先生が古写経を蒐集されました。古筆は高野切を筆頭に平安の名跡を揃え、古写経は天平期から南北朝時代の経巻を蒐めています。とりわけ、春川先生が入手された古筆手鑑『濱千鳥』、中正先生が一葉ずつ寄せた古写経手鑑『穂高』はコレクション中の白眉といえましょう。

このたび、古筆57件、古写経67件に加えて、これらの手鑑2件、春川先生が十年あまりの年月をかけて完成させた本願寺本三十六人家集の複製3件を成田山書道美術館に寄贈。この名品の大半はこれまで紹介されたことがなく、今回、初めて体系的に展観するものです。これらは、書道史研究のみならず日本文学研究、仏教研究などにおける重要な資料になります。

青鳥居、松﨑父子が精魂を傾けて蒐集した古筆と古写経の魅力を味わいませんか?

青鳥居清賞―松﨑コレクションの古筆と古写経(II期)
主催:成田山書道美術館
会期:平成30年2月24日-4月22日
開館時間:9:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日:月曜日
※3月26日(月)から3月31日(土)は休館
入館料:大人500円 高・大学生300円 中学生以下無料

【ギャラリートーク】
3月4日(日)・4月7日(土)
各回とも13:30~ 45分程度

「濱千鳥(はまちどり)」

昭和44年に、寄贈者松﨑中正の父、春川が入手した手鑑。
表に78件、裏に82件の古筆および古写経が収められる。
春川は、この手鑑の存在を知ってから10年余り、蓄財に励んでやっとの思いでこの手鑑を手に入れた。書家であった春川は各地で歓待を受け、そのたびに健筆を揮って、手鑑やその他古筆等購入の為の収入源としたのである。

「穂高(ほだか)」

今回の寄贈によって新調された手鑑。古写経のみの珍しい手鑑である。
79件の古写経の断簡が収められる。昭和35年から平成28年の夏、手鑑制作の作業が始まる直前まで、60年近くにわたって収集されたコレクション群。
寄贈者の松﨑中正氏は、手鑑をつくることを何十年も夢見てコレクションを収集してきた。
この度その想いが手鑑に結実したのである。
仕立ては、国宝修繕等で名高い株式会社半田九清堂による。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。