子育て奮闘中!のママが「子どもと一緒に読みたい本」「本当に子どもにうけた楽しい絵本」を紹介します。
★やまんば山のモッコたち(富安陽子・福音館書店)
主人公・啓太の住む村をとりかこむ「山姥山」には、「モッコ」たちがいて、めったに人間が立ち入ることはありません。
「モッコ」とは、おそろしい雪女や河童、名も知れぬ小さな生き物たちのことです。
山のてっぺんの三本松の木の下には、背高のっぽの山姥と、山姥の娘のまゆという女の子が住んでいます。
物語は、啓太がまゆと仲良くなり、様々な冒険をするお話です。
「山姥なんて怖そう!」と思ってしまいますが、この物語に出てくる山姥と、娘のまゆは優しい人たち。
おまけに力も強くって、啓太が雪女に捕まりそうになったときには、竹笛を吹くと、まゆが風のような速さで駆けつけ助けてくれたり、山姥が暖かい家に招いて特製の「山姥餅」をごちそうしてくれたり、なんてエピソードも。
啓太とまゆが、「モッコ」たちと関わりあいながら自然を駆けまわる様子や、四季折々の豊かな山のめぐみで作る「栗の蜜煮」や「ヤマモモのお酒」、春一番が吹くと山姥が山のモッコたちにふるまう「山姥汁」といった食べ物がおいしそうで、子どもの頃、夢中になって読みました。
初版は1986年と四半世紀前の本ですが、先日「三鷹の森ジブリ美術館」に行った際に、館内の図書館でも「おすすめの児童書」として紹介されていて、嬉しくなりました。
小学校中学年以上の本好きなお子さんに、ぜひおすすめしたい一冊です。
なお、小さなお子さんには、同シリーズでまゆが活躍する絵本が出ており、最新刊は『こどものとも』2015年4月号の『まゆとかっぱ』となっています。
力持ちで好奇心旺盛なまゆが、ひょんなことから河童と相撲をとることになるお話です。
お子さんの年齢にあわせて、「やまんば山シリーズ」をぜひお楽しみください。(M)