成田の歴史 と史跡 73

【絵かき歌】
民俗学の研究対象に言語伝承という分野がある。文字の力を借りずに、口から耳へと伝えられた文芸で、口頭伝承ともいう。昔話・伝説・わらべ歌・方言などが言語伝承になるが、その一つに絵かき歌がある。
絵かき歌は物や動物などを、子どもが独自の考えで歌いながら絵にしたもので、遊びながら次の世代へ受け継いでいくのである。最も馴染みのあるのは顔を描く「へのへのもへじ」であろう。ここに成田に伝えられた絵かき歌を3つ紹介しよう。

《おかみさん》
まるかいてチョン
まるかいてチョン
たてたて よこよこ
まるかいてチョン
大きな団子に毛が三本
毛が三本 毛が三本
おっとたまげたおかみさん
《たこ入道》
まるかいてチョン
まるかいてチョン
ミミズが三匹はい出して
雨がジャ―ジャ―
降ってきて
あられがポツポツ
降ってきて
あっとゆ―まに たこ入道
《コックさん》(図参照)
棒が一本あったとさ
葉っぱかな
葉っぱじゃないよ
カエルだよ
カエルじゃないよ
アヒルだよ
六月六日に雨がジャ―ジャ―降ってきて
三角定規ひびいって
アンパン二つ豆三つ
コッペパン二つくださいな
あっとゆ―まにかわいいコックさん
(北囲護台  小倉 博)

コックさん
コックさん

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。