成田高校の卒業研究 ② 多岐にわたるテーマ レベルの高いスライド 卒業研究発表会

2月2日~4日、成田高校で、卒業研究発表会がありました。
同高では、毎年、早く進路が決定した3年生に対して、卒業研究を課しています。

【準備】

準備として、1月初旬には、出版社社員を講師に迎え、講演会「『情報』について考えよう~これから卒業研究に取り組むみなさんへ~」を聴講し、卒業研究の進め方、留意点、発表の仕方などを学びました。

1月中旬には、さらに発表の質を高めるため、「卒業研究セミナー」として、社会人のプレゼンテーションを聴講しました。
(そのときの様子はコチラ)

【レベルの高い発表会】

DSC_9400そして、いよいよ発表会。1ヶ月にわたって研究した成果を披露しました。
生徒・先生・保護者が聴講する中、パワーポイントで作成したスライドを、大型スクリーンに投影し、ヘッドマイクを装着しての発表は、本格的なものでした。

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持ち時間は発表5分、質疑応答2分。
発表終了時間30秒前には、「ピポ!」とブザーが鳴る緊張感漂う中、どの生徒も落ち着いて、見事に時間内におさめていました。

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テーマは、各自の進路先に関係したものということで、多岐にわたりました。


スライドは文字情報だけでなく、グラフ、図式、画像、さらにそれらに動きを取り入れるアニメーション機能を使ったり、BGMを入れたものもあり、レベルの高さがうかがえました。
情報の授業で基本的な指導を受けた後、授業内のグループワークでプレゼンを実践していたとのこと。そこで得たノウハウを活用し、情報交換や試行錯誤をして、知識を増やし、創り上げたものだそうです。

発表を聞く生徒も、感想カードを記入しながら、真剣に聴講していました。

DSC_9416質疑応答では、生徒同士、また先生からも「イスラム国に戦闘員の流入が止まらないのはなぜ?」「香りの薬効はいつ頃から注目されているのか?」「DNA研究は、これからどういう方向に活用されるのか?」など質問が飛びましたが、的確に答えられる生徒もおり、深い研究のあとが見られました。
分からない質問にも「勉強不足です。調べて報告にうかがいます」と、真摯な姿勢がうかがえました。

【いちばん大変だったのは?】

2人の生徒に発表を終えた感想をうかがいました。
4日の発表のトップバッターを務めたG組の片波見和輝さんは、「調べるのが一番大変でした。まとめるのが難しかった。発表は、トップバッターで緊張しました」、加藤しずかさんは「スライド作成は、授業で習うので、それほど難しくはなかったです。もともとある研究を調べてまとめていく過程で、著作権に触れないように引用をハッキリさせたり、そういうところが気を遣いました。発表は、こんなに人がいるとは思わなかったので、緊張しました」と話してくれました。
(いえいえ、2人とも、とても落ち着いて、堂々とした発表でしたよ。)

【指導に当たった情報科・白井稔実教諭の感想】

多くの生徒にとっては、初めての論文執筆を経てのプレゼンとなりました。短期間でしたが、よく調べた様子がうかがえる研究も見られました。プレゼンでは堂々とした態度で臨んだ生徒が、ほぼ全員だったのがうれしい限りでした。
今回の発表会はプレゼンする意識と、質問する意識を指導の重点としました。プレゼンだけでは、聞いている側にとって気が抜けてしまうという状況が発生しやすくなってしまいます。そのため、質疑応答にも、ある程度の緊張感も必要となります。聞いている側の生徒による積極的な挙手による質問だけではなく、司会者から指名されて質問することや、教員からも手厳しい質問もあるという、発表者・聞いている側の双方に緊張感が発生するように運営しました。これによって参加者全員が、当事者意識を持ち続けながら発表会に臨めたと思います。
単なる発表だけではなく、質問を考えさせることを前提としたプレゼンの指導は、情報発信力、情報活用の実践力だけではなく、課題発見能力、課題解決能力のそれぞれを、コンパクトに育成できる効果があるように思います。受ける側に徹することは簡単なことですが、何らかの疑問などを持ったら、即時に言葉を組み立てて質問するという意識を持たせることも、プレゼン指導では欠かせないものです。
今回の卒業研究は、進路決定者のみに課せられるものでしたが、思考力・判断力・表現力を確かなものにするよい機会になったと思います。これからの大学生活やその先の社会生活では、もっと高度なスキルが要求されることは明白です。今回、身につけることができた気づきを忘れないでほしい。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。