成田国際高校演劇部 関東大会進出! 今月23日にスカイタウンでプレ公演 佐倉公演は16日

1月23日(土)、成田市文化芸術センタースカイタウンホールで、成田国際高校演劇部が二人芝居『ジャスミンティの頃』を上演します。

この作品は、昨年11月に行われた「第68回千葉県高等学校演劇研究中央発表会」(県大会)で、優秀賞第1席・全国高等学校演劇協議会会長賞、ならびに創作脚本賞・舞台美術賞を受賞し、今月30日・31日に龍ヶ崎市文化会館大ホールで行われる「第51回関東高等学校演劇研究大会」(南関東大会)への出場を決めた作品です。(作品の内容はコチラ)

2015-narikoku-photo[1]

 ◆県大会は 不本意な演技

関東進出を決めた県大会ですが、じつは開幕直前にトラブルが発生しました。持ち込みライトが点灯しなかったのです。結局、当初予定していた演出効果は、断念せざるを得ませんでした。

照明のセッティングも兼務していた中村恵さんは、動揺した状態から気持ちを立て直せないまま舞台に立ち、「芝居もグダグダになっちゃった」と言葉少なに振り返ります。

佐伯七海さんも「立て直さなきゃと思ったんだけど、上手くいかなかった。演技の自由さが出せなかった。納得できない演技、やりきれなかったのが悔しかった」。帰り道は号泣しました。

3日間の大会の2日目に演技した成田国際高校。
その夜は2人とも落ち込み、関東大会進出はあきらめたといいます。

しかし、翌日の結果は全体2位の優秀賞1席。何とか関東大会に行けることに。「完全にあきらめていたので、選ばれたときは、また『ジャスミン』ができる・・・と素直に嬉しかった」と佐伯さん。

顧問の伊三野友章先生も、「県大会直前のプレ公演は比較的調子がよかったので、このままいけるかと思っていたのですが・・・。突然のアクシデントに対応できず、2人とも心臓がバクバクのまま、妙に力んだ演技になってしまいました」。

 ◆新たな『ジャスミンティの頃』

関東大会に向けて、今、成田国際高校演劇部は、県大会までやってきたことをいったんリセットして、新たな『ジャスミンティの頃』を創り上げるという賭けに出ています。

伊三野先生は、「芝居は何度も同じことをやるので、マンネリ化こそ最大の敵。すこしでもいい感触で出来た回があると、記憶を頼りにその回をなぞろうとする。しかし、それでは芝居が生き生きとしたものにならない。過去をなぞらない、未来を先取りしない、大切なのは『今ここに生きる』こと。それさえできれば、原理的には、いい芝居になるはず。『嘘の表現はやめよう』と2人には言っています。台詞は、頭であれこれ考えて口にするのではなく、相手に対する自然な反応として、身体から出てくることが理想。たしかに型にはめる段階も不要だとは思いません。しかし今は、型を超えて、いかにフリーになれるかにチャレンジしてもらいたいと思います」と話します。

 ◆最高の芝居を目指して

演技経験のない4人の女性がロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞し、話題となった濱口竜介監督作品『ハッピーアワー』を、昨年暮れに観た伊三野先生は、その方法論に影響を受けたといいます。

濱口監督のワークショップは「聴く」ことに重きを置いているそう。「こうしてやろう、といった作為がリアルを遠ざける。相手をよく聴く、よく見る、そして、あとは待ち受ける。他人にゆだねながら、しかし自分の足で立つ、自立しながら、しかし独りよがりにならない、どこまでも他者とともにあること」、そういう難しい芝居が、中村さんと佐伯さんに要求されています。

 ◆ゆだねあう練習と基本練習

稽古は、さながら、演劇漫画のベストセラー『ガラスの仮面』を見ているよう。
身体をゆだねあって、楽に支え合う練習、ティッシュやペンを介在させ、相手を感じ合う練習・・・。どちらのリードか分からなくなり、溶け合う2人。

抑揚を排除した台本の読み合わせでは「のどが開いてない! 声を届けてんの!?」と、伊三野先生の鋭い声が飛び、発声練習に戻ります。
身体を使いながら、大きな声で「かごめかごめ」や「とおりゃんせ」を歌う姿は、応援団の練習のようにキツそうでした。

 ◆プレ公演は「スカイタウンホール」と「おもてなしラボ」で

関東大会プレ公演は、2カ所で行われます。
座席数300席ほどの成田の「スカイタウンホール」と、定員30名ほどの佐倉の「おもてなしラボ」。
練習の成果は、どんな新しい『ジャスミンティの頃』となって、お目見えするのでしょうか。 楽しみです。

【おもてなしラボ公演】

▽1月16日(土)14時~ (先着30名様限定)

▽おもてなしラボ(佐倉市新町168(JR佐倉駅から徒歩21分))

▽入場無料

佐倉公演

【スカイタウンホール公演】

▽1月23日(土)15時30分~

▽成田市文化芸術センタースカイタウンホール(JR・京成成田駅そば)

▽入場無料

▽問:℡0476(27)2610(成田国際高校・伊三野)

ジャスミンティの頃関東プレチラシ

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。