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2020-07-13

成田国際高校演劇部 8人を演じた一人芝居に観客が感涙 関東大会は今週末24日


1月18日(日)、もりんぴあこうづMORI×MORIホールで、成田国際高校演劇部の『繭の中』が上演されました。『繭の中』は、11月に行われた高校演劇の千葉県大会で、最優秀賞・創作戯曲賞・舞台美術賞の三冠に輝き、同校が14年ぶりに関東大会進出を決めた作品です。会場は満員御礼、補助席を出すほどでした。

「引きこもりと震災」をテーマにした『繭の中』は、部屋に引きこもったまま津波に流された少年の実話をもとに書かれた作品で、1人しかいない演劇部員、1年生の中村恵さんが8人を演じ分けています。音響・照明・映像は、他部の生徒や引退した3年生などが担当、また、台詞のない引きこもり少年役をギター部の花澤怜君が演じています。一度は棄権することさえ考えた最低限人数のチームながら、今年は関東大会が千葉県開催で、本来の2校進出より1枠増えたため、「なんとか3位になって関東大会に行ければ」(顧問の伊三野友章先生)と思っていたところ、中村さんの圧倒的な演技力、伊三野先生と中村さんが創った内容の濃い脚本、映像を効果的に取り入れたシンプルな舞台美術が高い評価を受けました。

黒子のような衣装で、まず記者役として登場した中村さんのたたずまいと第一声から、観客は中村ワールドに一気に引きずり込まれました。引きこもりの原因にはいじめ問題もあり、8人を演じ分ける迫真の演技には、涙を流す観客の姿もありました。

この日は、講談社現代新書『大人のひきこもり 本当は「外に出る理由」を探している人たち』の著者で、被災地で実際に引きこもりの人たちを取材、脚本の素材となった記事を書いた池上正樹さんも来場し、終演後は伊三野先生、中村さんと3人で、アフタートークも行われました。池上さんは、中村さんの演技について、「本当に現地で取材した人たちそのままで、そのときの光景が思い出されました」と絶賛しました。その上で、メンタル面に問題を抱える人は、日頃から自分の情報を発信せず、家族も隠したりして、周囲から認識されないことが多いため、災害が起こった時に救済が遅れる傾向にあると話し、東日本大震災の、助かった事例と、家族も巻き込んで助からなかった事例を生々しく語りました。

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終演後、ホールの外では、時間をかけて長文の感想を書く人の姿がたくさん見られました。佐倉から来場した女性は「先生のご指導もあると思いますが、考えられないほど素晴らしい。観ていて涙が出ました。皆さんの情熱、熱意に圧倒されました。私の周りにも涙ぐんでいる方がたくさんいらっしゃいました。1年生がこんなにできるんだ。演技が人を変えるんですね。感激です」、70歳代の男性も「びっくりしました。若い人でこういう素晴らしい発想ができるとは」と感心しきりでした。

中村さん、花澤君にとっても、一般のお客様に観ていただく良い緊張感の中での今回の公演は、手応えを感じる特別なものになったようです。

中村さんは、最初、津波が来ているのに逃げない心理や引きこもる気持ちが全く理解できなかったところからのスタート。「自分が楽しいということだけで、県大会までは技術に頼って演じていました。震災というものに向き合えてなかった」。伊三野先生の厳しい指導により、何度も何度も立ち止まり、不安と戦い、ギリギリまで考えて考えて、「(このテーマは)背負っているものが違う。観に来てくれる人は技術を観に来るわけではない」と気づき、配役1人1人の身になることで「今日初めて震災と向き合った芝居ができました」。この日最後の演技を伊三野先生に初めて褒められたという花澤君も「心情的にまだ完全にしっくりきたわけではないけれど、でも今日は1つ、やりきれたのかな」。

観客から 惜しみない拍手

観客から 惜しみない拍手

長年、高校演劇の指導に携わる伊三野先生も、入学まで全く演技経験のなかった中村さんを「構えずに舞台に立てる子を久しぶりに見たので、才能があるなと思いました」と明かし、「ここにきて、ぐんぐん表現が深くなってきました。でも最初のころは舞台以外ではしどろもどろで、こんなにいろいろと話せる子ではなかった。演劇の教育力を感じます」と、その成長に驚きを隠せません。

関東大会は今週末1月24日(土)、八千代市市民会館大ホールで行われます。入場無料。成田国際高校の登場は2校目で10時45分からです。

関東大会前に、1つ脱皮した芝居ができ、さらに課題が見つかったという2人。「少しでも多くの人に、考えてもらえるきっかけを作ることができれば…」というナリコク渾身の舞台をご覧いただける貴重な機会です。お見逃しなく!

関東大会もがんばります! ぜひ観に来てください

関東大会もがんばります! ぜひ観に来てください

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