下総松崎駅の近くにあり、成田国際空港圏初の現代アート拠点として注目を集める「ふわりの森」の3周年を記念したトークイベント「ALIVE CITY~アーティストがつくる都市と未来~」が12月3日に行なわれました。
「ふわりの森」って?
「ふわりの森」は、2014年、国内外で活躍しているアーティスト・シムラユウスケさんが主体となり、下総松崎にオープンした空港圏初の現代アート拠点。アーティスト主体によるギャラリーやアートカフェ、パブリックアート、アーティスト・イン・レジデンス(アーティストを一定期間この場所に招へいして作品制作などを行なってもらう事業)など成田空港からアクセスできるアートエリア(目的地)を形成しています。
会場は、空き家となった日本家屋をアートハウスに改装した「ART STAY maison FUWARI」。日本家屋の趣とアーティストの息遣いが共存する居心地のよい空間がそこにありました。アーティストが滞在した際に残していった作品が置いてあります。
地元とつながる、人とつながる。
当日、会場では「ふわりマルシェ」も同時開催。紹介したアートカフェ「TOAST AND HONEY」のほか、地元のトマト農園「NOLAND」や、「材木店・大工・金属加工」3つの異業種の若手経営者3人が立ち上げたファニチャーブランド「mills ends」などが軒を連ね、多くの方が交流を深めました。
GUESTはなんとアーツ千代田 3331の中村政人氏!シムラユウスケさんと熱いアーティストトーク
アーツ千代田3331統括ディレクターの中村政人氏をゲストに招いて行われたアーティストトークには、多くのアーティストやファンの方が訪れました。
中村氏は、これまでのアーティストとしての活動や、日本のアートシーンの構造、社会とアートの関係などについて、スライドや写真を交えながら説明。シムラユウスケさんは、この3年間、地元に戻ってきてからの取り組みや「ふわりの森」プロジェクトについて、さらに今後の展望について熱く語りました。
「この地域にアーティストが滞在し、制作し、作品を残していく。アーティスト自身が地域の中に主体的に場所を持ち、そのような活動を続けていきながら、人とつながり、かかわっていくなかで、アーティストとの時間を共有する場を広げ、『目的地』『サードプレイス』としての価値を高めていきたい。」と語るシムラさん。中村氏は、「ふわりの森」プロジェクトの実績と今後の可能性を評価。2020年東京オリンピックの時に最大のゲートとなる成田国際空港の側にあるアートエリアでの芸術祭の開催に向けての活動に、期待を寄せました。
ー2020年、空港圏初の芸術祭開催、夢がふくらみます。これから、成田がアートの街として成長していくのが楽しみです!
中村政人氏プロフィール
1963年生まれ、秋田県大館市出身。アーティスト。東京藝術大学絵画科教授。アートを介してコミュニティと産業を繋げ、文化や社会を更新する都市創造のしくみをつくり出す社会派アーティスト。第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本代表。平成22年度芸術選奨受賞。1997年よりアーティストイニシアティブ「コマンドN」を主宰。全国で地域再生型アートプロジェクトを多数展開し、2010年民設民営の文化施設「アーツ千代田 3331」を創設。シムラユウスケさんプロフィール
1981年生まれ、アーティスト。東京、ニューヨークを拠点に、写真、ドローイングの制作をはじめアジア、北欧、中東で作品を多数発表。アップルストアによる特集、吉田カバンとメディアコラボなど様々な注目を集める。2014年には海外に加え、幼少期から育った国内(成田市・栄町)に拠点を持ち、成田国際空港を中心に広がる大自然をフィールドに、空港圏初の現代アートの拠点ふわりの森アートプロジェクトをスタート。JR安食駅に自身の巨大アートエレベーターを制作。栄町とのコラボレーションで話題を集めている。2018年ミラノコレクションブランドとのコラボレーションを発表。