成田のインバウンド対応は!? 観光立県フォーラムin Naritaで模索  ③

【第2部 講演「アーバンツーリズムの魅力・インバウンドへの波及効果」】

DSC_5841第2部は、(株)ジャパンインバウンドソリューションズ代表取締役社長 ドン・キホーテグループインバウンドプロジェクト責任者の中村好明氏の講演。
「日本のインバウンドは始まったばかり」と、世界をまたにかけて精力的に活動する、インバウンドのカリスマの講演は、スケールの大きい、終始興味深いものでした。

DSC_5857中国人観光客の動向、ドンキホーテのキャラクター「ドンペン」に込められたナイトマーケットを取り込むビジネスモデル、観光におけるブランディング(商品やサービスのコンセプトを価値あるものと認識させ、市場でのポジションを築くマーケティング戦略)の重要性があげられ、「インバウンドは最強の新規事業。投資なくしてリターンなし。投資の中でいちばん重要なのは人」、「インバウンドは新規事業として、既存事業の国内マーケットと同時に追いかけていく」「樹木を育てるように持続的なチャレンジが結果として蓄積される、これがインバウンドの醍醐味」と説きました。

DSC_5895大切な視点として挙げられたのは「花仕事と米仕事」という概念。
JR九州の観光列車や、猫の駅長で有名な貴志駅などをデザインした水戸岡鋭治氏の言葉で、企業人としての稼ぎ仕事が「米仕事」、公共的・社会的視点で行う金銭的代価を超えた仕事が「花仕事」だそうです。
中村氏は、みんなで花仕事をやらないと米仕事も成功しない、自分のことを忘れてでも花仕事をやっていると、やがては自分にかえってくると説きました。

DSC_5909成田に関しては、圏央道の整備によって関東一円から来られる利点を生かし、例えば、魚を切って新鮮なうちにアジアに空輸するなど、「加工物流の拠点としての成田」などが提案されました。
狭義のインバウンドではなく、in-bound、すべてのものやことが集まり、人口が減らない持続可能な社会「インバウンド3.0」の街に成田をしていく、力強い提案がされました。

景勝地を観に行くだけではなく、 「人に会いにいく」がなくてはリピーターは生まれない、と、ふれあい、交流の大切さも説かれました。
アジアの人口は2060年まで伸び続けるそう。人口が減少する日本ですが、「中期的、長期的な樹木としての仕事、アーバンツーリズム、ショッピングだけではなく、宿泊、グルメ、ふれあい、交流、すべてに戦略的に取り組んでいけば、日本を代表する国際空港を持つ成田の可能性は無限大」と、講演は締めくくられました。(続く)

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会場は満席

 

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。