三遊亭金朝師匠が母校・神宮寺小で落語教室 落語の楽しみかた伝える

成田出身の真打ち・三遊亭金朝師匠が、1月30日、母校の成田市立神宮寺小学校で落語の授業を行いました。昨年から始めて、今年で2回目です。

この日授業を受けたのは、国語で教科書に載っている『ぞろぞろ』を勉強した4年生。まずは『ぞろぞろ』のワンシーンを、教科書を手に取りながら、金朝師匠と児童たちで実際に演じてみます。「おばあさん役、やってみたい人!」と金朝師匠が声をかけると、「ハイ!」「ハイ!」とほとんどの児童が手を挙げます。

「落語は、季節や時間、登場してくる人間関係を表すのが大切」「落語というのは、ただしゃべるだけではなく、(話しかけている)相手との距離が大切。相手との距離によって、目線や声の大きさを変えます」と、話し方のコツを児童たちに伝え、自ら相手役を演じることでその必要性を教えていました。

「感情をこめて読んでごらん」と金朝師匠が声をかけると、抑揚をつけたり、声色を変えたり、動作をつけるなど、いきなり上手になる児童たち!金朝師匠も「みんなうまいなー」と思わず感嘆の声をもらしていました。

金朝師匠のご指名により、4年生を担任する鳥谷部先生が高座に上がる一幕も。先生の熱演に、児童たちも大笑い。

『ぞろぞろ』をみんなで演じ終えた後は、金朝師匠への質問や感想を伝える時間です。
(児童)「おじいさんとおばあさんの声の出し方の違いはどうしたらいいですか?」 (金朝師匠)「おじいさんはあごを引いて、歯を引っ込めて話します。おばあさんは前歯を出す感じで」、(児)「教科書を読んだだけではよく面白さがわからなかったけれど、実際に声に出して演じると、面白さがよくわかりました」(金)「本をたくさん読むことも大切だけど、ただ字を追うだけでなく、情景を目に浮かべながら、ゆっくりじっくり読むことも大切。想像力を働かせながら読むと、また違った見え方がしてきます」などと、児童の質問や感想ひとつひとつに、きっちりと答えていました。

休憩の後は、金朝師匠の話芸を披露です。神宮寺小の廊下には、児童が歩く側を守るようセンターライン代わりに折り鶴が飾られていますが、その見かけた折り鶴にちなみ、「鶴」という噺、もう一席は「桃太郎」という噺を披露しました。自ら演じたことで落語の楽しみ方を知った児童たちは、すっかり没頭して落語を楽しんでいた様子。笑い声の絶えない二席でした。

最後に児童から金朝師匠に、御礼の言葉と折り紙の花束が贈られました。金朝師匠は、「落語はそんなに難しいものではありません。頭のなかにぼんやりと様子を思い浮かべながら聞いて、『なんか面白いなー』と思ったら、笑えばいいんです」と児童たちに、落語の楽しみ方を伝えていました。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。