成田高校の卒業研究① 旅立ち前に実践教育 ひとり暮らしに備えて 住まいと防犯セミナー

成田高校では、すでに卒業後の進路が決まった生徒に「卒業研究」を課しています。

卒業研究の発表会は2月初旬。今年度は、卒業研究の質を上げることを目的に、1月中に講演会とセミナーを行いました。

1月8日には、昨年から実施している講演会を聴講。
テーマは「『情報』について考えよう~これから卒業研究に取り組むみなさんへ~」で、講師は出版社社員です。
教科が「情報」で、卒業研究担当でもある白井稔実先生の発案で、生徒に情報の信ぴょう性や研究とは何かを、出版社側の視点で説明してもらう機会となっています。

1月13日には「卒業研究セミナー」が行われました。
社会人のプレゼンテーションを見せ、発表の質を上げるためで、成田高校初の試みとなりました。
内容は、卒業後ひとり暮らしをする際に、実際的に役立つ不動産セミナー&防犯・護身術セミナーという一挙両得の企画です。

不動産セミナーの講師は、レオパレス21の原英太郎さん。
ひとり暮らしと実家の違い、アパートとマンションの違い、契約時に知っておくべき敷金・礼金などの不動産専門用語、おとり広告への注意喚起、部屋の探し方と注意点、間取り図の見方、入居までのスケジュール、必需品リスト、入居時と退去時の注意点と、非常に役立つ具体的、包括的な内容が説明されました。

防犯・護身術セミナーの講師は、綜合警備保障成田支社の藤江絵里さんで、被害に遭いやすい女性向け防犯セミナーが展開されました。
犯罪情勢、事件例が上げられた後、一番の護身術は「危険な目に遭わないようにする心構え」と語られました。
女性が狙われやすい条件が示され、電車・夜道・エレベーター・家・来訪者・ひとり暮らし・SNS使用と、シチュエーションごとの護身術が教えられました。

さらに実技体験。手首をつかまれた時には、手をグーからパーに開いたときに手首が太くなる現象を利用して、パーのまま上に振り上げて逃げる、後ろから抱きつかれた時は、身体をいったん下に抜き、即座に「グリコのポーズ」で上に伸び上がって、相手の腕を振り払う方法が教えられ、2人1組になって練習しました。

藤江さんは最後に「相手に何かをしようと思わず、とにかく逃げること」と話し、「学生時代も社会に出てからも、安心安全に過ごしていただきたい」と結びました。

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レオパレス21にとっても、千葉県内の高校で不動産講習会を行うのは初めて、綜合警備保障成田支社にとっても、高校生対象にセミナーを行ったのは初めてという、初めてづくしのフレッシュな企画となりました。

卒業後、東京でひとり暮らしを始めるという齊藤美佳恵さんは、「物件はもう決めましたが、その後の流れや動きが、家族も分からず不安だったので、今日のセミナーを機会に、いろいろなことを考えたり、大学生活を充実したものにするために、話し合おうと思いました。ひとり暮らしは楽しみで、浮ついた気持ちしかありませんでしたが、危険が身近にあることを痛感したので、家族と話し合って身を守ることを考えようと思いました」と、有意義なセミナーをしっかりと受け止めていました。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。