ぴーぷる    5月27日から個展を開く陶芸家  坂本 直隆さん (66)

千葉県美術会会員、また千葉陶芸界の第一人者・神谷紀雄さんが立ち上げた「伝統工芸陶葉会」会員である、成田市在住の坂本さんが陶芸の世界に入ったきっかけは、陶芸が趣味だった奥様と結婚したこと。「今では逆転しちゃいました」と奥様が笑います。奥様は結婚と同時に窯を買い、陶芸教室を始めましたが、お子さまの出産を機に、教室をご主人に引き継ぎ、坂本さんは会社員と2足のわらじを履くことに。

展覧会にも多数チャレンジした坂本さんは、埼玉美術展、伝統工芸新作展など、入選を重ね、それがさらに励みになり、ますます陶芸の虜になっていきます。それでも「家族を養うことを考えると、専業になることには踏み切れませんでした」。

38歳の時に赴任したシンガポールでも、現地の陶芸家たちと交流、彼らの協力を得て、作陶に励みます。

帰国後も、伝統工芸新作展に入選、さらに、全国規模の公募展の中で一番の狭き門である日本陶芸展に入選した時、「将来的に生活の糧にしたい」と決心します。

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そして、いよいよ、63歳で会社を退職。念願の作陶に没頭する日々となりました。東日本伝統工芸展、日本陶芸美術展と入選を重ね、現在に至ります。

まったくの独学で作陶してきた坂本さんは、「取り入れてみようと思うものは取り入れ、型にとらわれずに作っています」と話します。特徴的な波紋のモチーフは、会社員時代に仕事関連で扱ったバネを伸ばした鋼線で作られています。練込み技法による青のストライプ文は、土の配合を何十種類も試み、グラデーションが表現されています。最近は絵手紙を習い始めた影響で、椿の絵付けシリーズも作品群に加わりました。自作の抹茶茶碗などの箱書きをするために、書道も習い、オリジナルの字風を先生から授かるなど、こだわりは尽きません。作陶中のBGMはクラシック。アルバム25枚をチェンジャーに仕込んで流し続けます。

5月27日から、なごみの米屋飯田町店ギャラリーで、作陶展を開きます。従来手掛けてきた波紋をモチーフにした器に加え、削ぎ落とし面取りの創作陶器など、約100点が出品されます。素敵な作品ばかりです。
「ぜひ、この機会に手にとってご高覧ください」(坂本さん)。

【坂本直隆 作陶展】
▽5月27日(水)~6月1日(月)10時~18時(最終日は16時まで)
▽なごみの米屋 飯田町店 2階ギャラリー

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この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。