被災地想い 音楽の力でチャリティ   弊社主催「倶楽部グリー」クリスマスコンサート

12月20日、成田国際文化会館小ホールで、東日本大震災復興応援チャリティー「みんなで歌おう! 倶楽部グリー クリスマスファミリーコンサート」(主催:(株)成田新聞販売)を開催しました。

倶楽部グリーは、早稲田大学グリークラブのOB男声合唱団の1つで、今冬、平均年齢71歳を数えますが、玄人はだしの実力とトークのおもしろさで、観客の心をわしづかみにするステージが大好評の合唱団です。

東日本大震災後、被災した浦安の小学校で演奏会を開いた時、「僕たちよりもっと大変な思いをしている人たちがいます。その人たちに素晴らしい歌を届けてください」という子どもたちの言葉に胸を打たれ、以来、石巻や女川でのボランティア演奏会を毎年1回、3~4会場で行っています。

コンサートに先立ち、弊社社長・佐々木敬悦が、今年7月に倶楽部グリーのみなさんと一緒に石巻を訪ね、富里産スイカや飲料をお届けし、コンサートを開いた様子をご報告させていただきました。3回目の訪問となり、少しずつ石巻のみなさんが元気になっているように感じること、しかし、いまだ、隣の話し声が聞こえる仮設住宅で暮らしている方々がたくさんいらっしゃること、微力ながら今後も支援を続けたいのでご協力をお願いしたいことなどを話させていただきました。毎年、楽しみに待っていてくださる方が多く、今年も「楽しくて楽しくて涙がこぼれました。うれし涙は震災以来初めてです」「来年もきっと来てください」「また今年も元気になれました」「素晴らしい歌声に感動し、心が癒され、明日への活力になります」「久々に声を高くして童謡を歌わせてもらい、心が洗われるような気持ちです」「1年目は涙が出て仕方なかったんですが、今年は笑って歌えました。最後はやっぱり泣きました」など、たくさんの感想をいただきました。

弊社社長 佐々木がご報告
弊社社長 佐々木がご報告

今回は石巻から1人の青年がコンサート会場に来ていました。毎年、石巻のコンサートに来てくださっている地元の漁業生産組合のワカメ漁師・阿部勝太さん(28)です。「少しずつ落ち着いてきたので、支援していただいた人たちに、お礼にまわっています」とあいさつに立った阿部さんは、現在も仮設住宅で奥様、3人のお子さんと5人暮らし。津波で船を流され,裸一貫になりながらも、「たまたま生かされた命。地域と日本に恩返ししたい」と、震災以降、衰退の一途をたどる漁業の復興に、若い仲間たちと取り組んでいます。阿部さんの語る被災地の現状と、「自分たちの代で漁師を魅力ある職業にしたい」という力強い決意に、会場は波を打ったように聴き入りました。

3人のお子さんを育てながら、漁業復興にかける阿部さん
3人のお子さんを育てながら、漁業復興にかける阿部さん

今年のコンサートには、成田中央公民館を拠点として活動している「成田シニアアンサンブル 青空」が賛助出演し、4部構成で行われました。

1部は倶楽部グリーによる「ユー・アー・マイ・サンシャイン」「アメイジング・グレイス」「シェルブールの雨傘」「遙かなるアラモ」「慕情」。幅と深みが際立つハーモニーが、さっそく会場を倶楽部グリーワールドに引き込みました。

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ソロパートでは「よくあんなに高い声が出るわね~」と顔を見合わせながら感心する観客の声が聞こえました。歌い終わった後、MCのソリスト紹介は「彼は銀座で弁護士をやっております。離婚問題専門ですので、どうしても別れたい方は楽屋まで…」。頭の光るソリスト紹介は「お布施はいりません」。会場は大爆笑でした。

2部は「青空」の演奏。楽団名を象徴する鮮やかなスカイブルーのドレス姿のみなさんがステージに登場すると、一気に華やかな雰囲気になりました。「昴」、ヨーロッパの民謡メドレー、「サントワマミー」「シャレード」「また君に恋してる」「ビリーブ」などお馴染みの曲が、親しみやすい旋律で奏でられました。

発足1年の成田シニアアンサンブル「青空」 団員募集中!
発足1年の成田シニアアンサンブル「青空」 団員募集中!

休憩をはさんで3部はクリスマスソング中心で、観客も4曲に参加。「上を向いて歩こう」「赤鼻のトナカイ」「サンタが街にやってくる」「聖しこの夜」を一緒に歌い、会場が一体となりました。なかには、倶楽部グリーばりの美声を響かせる方もいました。

第4部は、「若者たち」「学生時代」「青春時代」の青春メドレーと、被災地に思いを寄せる「この街で」「千の風になって」「ふるさとは今も変わらず」。琴線にふれる歌詞が、情感たっぷり豊かな歌声によって観客の心を釘付けにし、涙ぐむ人の姿もありました。

その想いそのままに、最後は会場全員で「ふるさと」を合唱。それぞれが被災地に思いを馳せました。

会場が一体となった大合唱
会場が一体となった大合唱

 

この日も進行のトークは絶好調。「小ホールの方が良いですね。お客様の寝息がじかに伝わってきます。大ホールの300人より小ホールの250人」「成田でのコンサートも4回目ですが、4回全部来ている方は?」と呼びかけ、手を上げたお客様に「お暇そうで何よりです」。「選曲した古い歌は皆さんに合わせて…というわけではありません」。観客は、素晴らしい合唱に微動だにできないほど聴き入り、トークになると笑いっぱなしという「一粒で2度美味しい」ステージを満喫していました。

40代の女性は「素晴らしい歌声でした。柔らかくて、力強くて、優しくもあり、平均年齢71歳とはとても思えないほど、若々しくて凛々しくて素敵でした。トークや曲紹介などお話も上手。青空さんもイメージにピッタリの華やかな衣装で、発足1年なのにレパートリー広く演奏されたので良かった。すごく良いコンサートでした。阿部さんのお話も聴けてよかった。28歳とお若いのに、こんなに頑張っている人がいた。忘れかけていたので、直接お話を聞いて協力したいと思いました」と、感動を一気に話してくれました。

当日、皆さまからお寄せいただいた募金とコンサートの収益金は、倶楽部グリーの次回の被災地支援活動に使わせていただきます。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。