【2/3公開「晩夏の居間」×「成田エリア新聞」コラボ企画】宮﨑監督独占インタビュー!

成田市を拠点に活動する劇団M WORKSが制作した短編映画「晩夏の居間」上映会が、2月3日(土)公津の杜コミュニティーセンターもりんぴあで行なわれます。「晩夏の居間」×「成田エリア新聞」コラボ企画として、第一弾はウェブサイトを制作( http://banka.narita-area.com/ )。そして第二弾として、宮﨑顕監督のインタビューをお届けします。(写真提供:kaenさん)

ー映画を制作するに至った経緯を教えてください。

以前から、いつか教え子や関係者、劇団員達と映画を撮ろうとは考えていましたが、一昨年〜昨年にかけて始めたTwitterで成田市の近隣で活動しているアーティストの方々と知り合ったんですね。その中に、今回撮影を引き受けてくれた佐久間(悠翔)さんや、音楽を担当してくれた「あじさい切符で」のボーカル・タケウチヒトミさん、スチール撮影をしてくださったkaenさん、書道家で作詩家の宇里香菜さんもいました。同じ成田にいるアーティストやクリエイターの方と知り合ったことで、「あ、これだけメンバーが揃っていたらできるな。やるなら今だな。」と。そこからみなさんに声をかけ、一緒に映画を作ろうということになりました。Twitterでできた縁。すごい。(笑)

ー制作にあたってはどのくらいの期間をかけたのですか?

2017年3月の舞台を終えたあたりから取り掛かり、9月に撮影を終えました。

以前から、映画を作るなら「家族」「繋がり」をテーマに撮りたいと思っていました。テーマが決まっていたので、脚本自体はそんなに時間はかかりませんでした。大体1週間くらいかな。構想自体は10年くらい温めていました。今回は、あえて主人公を作らず、それぞれの思いや関係を描きたいと考え、役の視線や秘めた思い、感情を重視し、説明を極力抜いた形で書き上げました。

大変だったのは、絵コンテ。舞台では脚本を読み合わせながら、役者同士、みんなで動きを確認していくことができますが、映画制作では、まったく勝手が違いました。カメラマンに自分のイメージを伝えるために絵コンテを描くのですが、これが大変!僕は全く絵が描けないんですね。まず、立方体が描けない。人間の正面からの顔が描けない。それでも最初は丁寧に描いていましたが、必死で描いたキュウリをメンバー全員にゴーヤだと言われた瞬間に心が折れ、最後はもう棒人間に・・・。自分の画才のなさを改めて思い知らされました(笑)。結局、2〜3ヶ月かけて、3〜400枚を書き上げ、それからさらに2ヶ月間、芝居の稽古に入りました。

撮影は栗源町にある古民家で、2週にわたり4日かけて行いました。幸い天気もよく、田舎の一軒家での撮影ということで、大人も子どもたちものびのびと楽しんで撮影に臨むことができました。その辺りは本編を見ると俳優達の表情によくあらわれていますね。

ー演じる上で、演劇と映画で違うと思った点や、今後の演劇活動にいかせそうだと思う点などはありましたか?

演劇では、「デフォルメされた演技」をすることがままあります。例えば、感情を強く大きく表現したり、舞台上に複数人いて、そのうちの1人を際立たせる為に、他の役者はまったく動かずストップしていたりすることがあります。演劇ではこれが成立するのですが、映画で同じことをやると、途端に不自然になってしまうんです。

逆に、強弱の問題ではなく、心の根っこから感情や台詞を出さないとうまくいかないのは、演劇も映画も共通しているなぁと改めて感じました。

撮影を通して、ひとつひとつの演技に対して、「演劇でやるとどうなる?」「映像だとどう映る?」と振り返る機会が増えました。

また、自分だけでなく、他の俳優たちも、ずいぶんと変わった気がします。うまく言えませんが、熟した集中といいますか、冷静でありながら感情を込められるようになったというか…。今回の撮影が、今後、舞台上での俳優の演技にも、僕自身の演出にも、いい影響を及ぼしていくと思います。とても楽しみです。

ーどんな方に、また、どのようなところを見てもらいたいですか?

どなたにでも楽しめる映画だと思いますが、大人の方は、それぞれの人生に重ねて色々と思うことがある映画に仕上がっていると思います。特に、今回は、小さなお子様は無料にさせて頂いておりますので、子育て中などで普段ゆっくり映画を見られない方などに、ぜひ遊びに来て頂きたいです。

また、上映後には各回ごとにタケウチさんのライブや、NG集を楽しむ回、実際に目の前で俳優達がシーンを演じる回など毎回違ったアフターイベントを企画しています。特設ホームページにアフターイベントの内容を詳しく掲載していますので、チェックして、興味のある回を見ていただければと思います。

ギャラリーでは宇里香菜さんの晩夏の居間展。
ホールロビーでは、フォトグラファーのkaenさんの写真展。
当日のパンフレット付録として、イラストレーターのつげくん。による晩夏の居間秘話イラストも付いております。

本編共々、ご来場の皆様に損はさせない盛りだくさんの企画を準備致しました。
是非、ご来場頂き、この機会に各アーティストの魅力を隅々まで楽しんでもらえればと思います。


いかがでしたか?映画制作の背景を読むと、また違った見え方ができると思います。2月3日「晩夏の居間」。上映スケジュールやアフターイベントの詳細、チケット申し込みについての詳細は、「晩夏の居間」オフィシャルサイトをご参照ください。お楽しみに!

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。