ダニエルカールさん 講演会で、国際化時代のコミュニケーション術を面白く伝授!(後編)

ダニエルカールさん 講演会で、国際化時代のコミュニケーション術を面白く伝授!(前編)はこちら

タレントで山形弁研究家のダニエル・カールさんの講演会が、24日(土)成田市文化芸術センター3階スカイタウンホールで行われました。

日本語の特徴その3「文法的に意味を成さない!?『婉曲的』」

またまたダニエルさんの体験談です。ちょっと離れたところにいる方が先生なのかどうかを、先輩に尋ねたところ、返ってきた答えは「あの人は先生じゃないかと思うけんど・・・」と、非常にあいまいな答え。「分析不可能、文法として意味をなしていない。なぜ『わからない』ではダメなのか」と疑問に思ったそうです。

ダニエルさんは長く日本語に触れて理解したことは、「日本語は、言い方が非常に大切にされている言葉で、文法よりもフィーリング(耳障り)が大切にされる、面白い言語」だということです。率直に言いすぎると耳が痛い言葉を、回りくどい言い方をすることで柔らかくする、優しい言語なのだそう。

「外国人には伝わりづらく、人によって解釈が変わってしまう可能性もあります。間接的にものを言い過ぎると、意味が伝わらなくなります。はっきり、率直に伝えたほうが、外国人にとってはかえってやさしい!」

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日本語の特徴その4「日本の美徳『謙遜』」

日本語には、相手を立てながら話す、敬語があり、上下の方向性を常に意識しながら話しています。また、日本では、自分だけではなく、家や車など、「もの」をけなす習慣もあります。お土産を渡された時に添えられる「つまらないものですが」という言葉にも、最初は「つまらないものなら渡さないほうが」と思ったそうです。

気をつけなければならないのは、身内をけなすこと。「バカ息子」「愚妻」など、日本ではよく、身内をけなしますが、外国では、身内を褒めるのが一般的。けなすことで謙遜の意を示していることが外国人にはわかりづらく、誤解をまねくとダニエルさんは語ります。

日本に長く滞在しているダニエルさんも、今では「間接的に家族愛を示す、日本流の愛情表現」と理解できますが、他の外国人もそうとは限りません。

「『謙遜』は、日本語の良い表現だが、相手の日本語の理解度にあわせて使い分けないといけません」

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以上のように、ダニエルさんは、普段私たちが使っている日本語の特徴を、数々教えてくれました。どちらの言語が優れているか悪いかという問題ではなく、各言語との違いを把握し、情報を足しながら話すことが、コミュニケーションをとるために大切だと締めくくりました。

~取材を終えて~

日本で、日本語を使って生活をしていると、当たり前すぎて気づかないこと、日本に住む外国人のことなど、多くの気づきがあった講演会でした。ダニエルさんの話を聞いて感じたことは、ダニエルさんは言葉や習慣、文化、考え方の違いを「楽しんでいる」ということです。文化の違いを否定するのではなく、受け入れ、楽しむことが、コミュニケーションの基本なのだと、あらためて強く感じました。(佐々木)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。