【子どもと一緒に読みたい本・絵本】⑯ 『おちゃのじかんにきたとら』

★おちゃのじかんにきたとら

(ジュディス・カー作/童話館出版)

 

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子どもが生まれてからすっかり足が遠のくようになったのが、都会のいわゆる「おしゃれカフェ」。
娘と優雅にティータイム♪ なんて憧れますが、実際は
①ハイセンスな店の備品を、倒したり壊したりしないか心配
②ご機嫌でいても、3秒後にはぐずって周りに迷惑をかけるかもしれない不安
③そんな子どもをうまくなだめる自信がない
という三点セットで、なかなか難しいものでした…。

しかし娘ももうすぐ3才。
家ではめちゃくちゃでも、外ではお姉さんぶって良い子にしているという芸を身につけるようになりました。
そんなママの憧れの、素敵なカフェに置いてあった素敵な絵本が、今回ご紹介する「おちゃのじかんにきたとら」です。

「さすが、東京のおしゃれなカフェは、置いてある絵本もおしゃれだな~」というのが最初の感想でした。
主人公が野山をかけまわる牧歌的な絵本も好きですが、この絵本に出てくるソフィーのように、都会的で洗練されたファッションの持ち主が主人公のお話も、悪くありません。

物語は、ある日ソフィーがおかあさんとおちゃのじかんにしようとすると、なんとトラが家を訪ねてくるのですが…。
おしゃれな主人公に、おしゃれなおかあさん、センスの良い家の中とは対照的に、トラが遠慮なく次々と家中の食べものや飲みものを平らげてしまう様子が大胆に描かれていて、ユーモラスな作品です。
娘は「○○をぜんぶ、○○をぜんぶ、○○をぜんぶ…」食べてしまいました! という繰り返しがよっぽど気に入ったようで、ずっとゲラゲラ笑っていました。

「お店だから静かにね」と注意してもあまり効果はなく、さらに何度もせがまれるので、結局優雅なお茶とはいかなかったのですが…。
ママも心躍るおしゃれな一冊で、子どもと一緒に楽しめるのもいいな、と思った作品でした。(M)

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。