紙ひこうき

同級会があった。信州の山村の中学校を卒業して何年になるだろうか。参加者は全19人中12人。歳を経るにしたがって、諸般の事情には勝てずに参加者は減る一方。寂しいことだ▼小学校から中学校まで9年間、人数が変わらなければメンバーも変わらない全校最少だった仲間が、昔そのままの愛称で呼び合うようになるまでに30分はかからなかった。口調も荒い呼び捨てで▼車中の話題は恒例の病気自慢に始まり、趣味自慢、孫自慢へと広がる。皆の顔からはかつての荒々しさは消え、今や優しさと自信が満ちている。気がつけば酒量もぐっと減っている。それぞれの生き様を反映してか、語り口調にも説得力がある▼「同級会」には不思議な魅力がある。同じ時期に同じ風土に生まれ育った者同士が時を経て再会し、お互いの絆と生きざまを確認し合う。至福の一時であった。(Y)

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Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。