被災地の子どもたちの笑顔がはじけた!虹の会「絆が育てるプロジェクト」

12月13・14日、富里市の「虹の会」が、東日本大震災被災地支援「絆が育てるプロジェクト」で、福島県の少年野球チーム「いわき菊田キッズ」の5・6年生を招待しました。

いわき菊田キッズは、福島県いわき市の南に位置する「泉」を所在地としています。川辺勝紀代表は、「震災後、団員は激減しました。当時の団員の3割が自宅を被災しました。泉地区は1ヶ月、水も出ませんでした。育ち盛りの子どもたちに食べさせてやれず、大変だった。余震が起こると顔が真っ青になって吐き気を催す子どももいました」と当時を振り返ります。それでも1ヶ月半後には、保護者説明会を行い、練習を再開しました。ニュースで情報を得、線量計で放射能の値を測りながらだったので、練習時間は激減したといいます。3年9ヶ月が経ち、だいぶ落ち着きは取り戻しましたが、団員の中には南相馬→山形→いわきと避難してきた選手もいます。

13日の午後、富里にバスで到着した一行は、さっそく十倉の「ファーム・クラインガルテン」で乗馬体験をしました。馬とふれあいながら子どもたちは元気いっぱい。「キャーキャー」とはしゃぐ声が青空に響きました。同ファームの住川永見子代表は、「運動しているから初めてでも違いますね。乗馬は贅沢な娯楽のイメージがありますが、特殊なものではありません。馬は癒しの効果があるので、お役に立てればと思いました。大きな動物とふれあう経験をしてもらえて良かった。私自身も子ども時代に引き馬を経験して、将来につながりました」と話し、「おもしろかった!もう1回乗りたい」という子どもたちに優しいまなざしを向けていました。

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夜は、ラディソンホテル成田で行われた、千葉ロッテマリーンズ富里後援会主催の選手激励会に参加。トーク・キャラクター・チアショーを楽しんだり、選手に「苦手な選手は?」と鋭い質問をしたり、プレゼントされたボールにサインをもらったりと、夢のひとときを過ごしました。会には、翌日、交流試合を行う日吉台リトルファイターズの三浦大空主将、布施真渡副主将も出席、菊田キッズの島津玲央主将、小野大輔・髙橋佑介副主将とともに壇上に立ち、のぼり旗を贈ったり、意気込みを語ったりしました。

あこがれのプロ野球選手と記念撮影
あこがれのプロ野球選手と記念撮影

 

翌日の試合に向けてキャプテン同士が握手
翌日の試合に向けてキャプテン同士が握手

島津主将は「プロの選手と会える貴重な体験ができて嬉しい。僕もプロになったら、こんなふうに子どもたちに元気を与えたい」、小野副主将は「選手のみなさんから聞いたことを、これからの野球生活に生かしていきたい」としっかりした口調で話してくれました。川辺代表は「子どもたちには、震災のことも忘れてはいけないけど、こうして支えてくれる人たちのことも忘れてはいけない、といつも話しています」と教えてくれました。

2日目は、いわき菊田キッズと日吉台リトルファイターズ・富南スポーツ少年団・富里スターズの合同チームの交流試合。前日の雨のため、予定よりグラウンド整備に時間がかかりましたが、その間、身体を動かす簡単なゲームに興じた子どもたちは、初対面にもかかわらず、すっかり打ち解けていました。

試合に入ると、顔つきが引き締まる野球少年たち。6回まで1―1と力の入る接戦、互角の戦いでしたが、最終7回、菊田キッズから大きなヒットが出て打線がつながり4加点、5―1での勝利となりました。

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試合のあとは、成田市在住大学生による、ディアボロ・バルーンアート・フォーク曲げ・中国ゴマなどの大道芸鑑賞。子どもたちは巧みな技に吸い寄せられ、目を輝かせながら食い入るように見ていました。
昼食時には、1枚のシートの上に、いわき、富里、関係なく入り交じり、虹の会と合同チームのお母さんたちが作った豚汁とおにぎりをほおばりながら、じゃれあったり、ふざけあったり、おしゃべりしたりする微笑ましい光景が見られました。

閉会式では菊田キッズの3人が、思いのたけを綴った作文を発表しました。記念撮影をし、最後は、お互いに1列に並んで、いわきの人たちが富里の人たちの前を通りながらハイタッチ。いよいよお別れの時です。いわきの保護者のみなさんは「2日間を通して、普段見られない子どもの笑顔が見られてよかった」「富里チームの保護者のみなさんに『また来てください』と言われたのが嬉しかった」と話してくれました。富里の人たちが、バスが見えなくなるまで、見送る姿が印象的でした。
虹の会の真保由美子会長は「今年も多くの方たちのご支援をいただき、限られた時間でしたが交流することができました。いわきの子どもたちと富里の子どもたちが仲良くしている姿を見られて嬉しかった」と目を細めました。

今年の協賛は次の通りです(順不同)。
富里ロータリークラブ ラディソンホテル成田 千葉ロッテマリーンズ富里後援会 (有)フォックス (有)石澤モーターズ (株)新井商店 石崎組 千葉ロッテマリーンズ唐川侑己 (株)ナリコー 社会福祉法人成田山福祉財団成田学園職員有志 洋菓子ナナン JA富里市 酒々井町社会福祉協議会職員一同 (有)佐々木農場 ファーム・クラインガルテン 波那道観光 ラディソンエンゼルス (株)越川ファーム (有)内田総業 (株)津田商店 成田エリア新聞web

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。