成田伝統芸能まつり 2日目は雨 スカイタウンに2千人のお客様♪

「第四回成田伝統芸能まつり」2日目の9月17日は、台風の影響で無念の雨。
成田市文化芸術センタースカイタウンホールのみでの開催となりました。

【伊能歌舞伎】

江戸元禄時代から、成田市伊能地区に伝わる300年余の歴史を持つ農村歌舞伎。
毎年4月、大須賀大神例大祭の奉納上演と定期公演、また各方面からの依頼公演も受けています。
この日の演目は『白浪五人男』。
成田市立大須賀小学校6年生の子どもたちが、夏休み返上で練習して演じてくれました。

【成田のおどり花見】

元禄年間から伝承されている「成田のおどり花見」。
成田山新勝寺の門前町・7つの町の女人講(にょにんこう)の女性たちが、年番で毎年4月3日に、各町内に祀られている16の神仏を1日かけて詣で、称え歌と弥勒踊りを奉納します。
昭和39年に千葉県指定無形民俗文化財に指定されました。
この日の出演は、花﨑町女人講のみなさん。

【秋田西馬音内盆踊り】

約700年前から踊り継がれている、日本三大盆踊りの一つ。
昔は着物が貴重だったため、端切れも大切に代々受け継ぎ、継ぎ合わせて一着の着物に仕立てたため、同じ着物は一枚もないという「端縫い衣装」、藍染め浴衣、形が特徴的な編み笠、黒い覆面に目の穴だけをあけた彦三(ひこさ)頭巾と、独特のいでたちが幻想的な雰囲気を醸し出します。


それに反するように、軽快なテンポのお囃子に乗せられる歌詞は「時勢はどうでも 世間は何でも 踊りコ踊たんせ 日本開闢 天の岩戸も踊りで世が明けた」で始まり、即興的なもの、ユーモアに満ちたものなど、唄い手が順々に得意な歌を展開します。
繰り返されるテンポのあるお囃子と、独特の雰囲気でグルグル踊られる盆踊りを見ているうちに、あの世と道がつながっていくような感覚に陥りました。

【武術 天真正伝香取神道流】

日本武道80流派の源流とされる天真正伝香取神道流。
天真正とは香取神宮のことです。
流祖は、香取郡多古町飯笹生まれの飯篠長威斎家直公で、室町時代の中頃、千日千夜の修業を行い、剣の極意(武芸十八般)に達したと伝えられています。
昭和35年に千葉県指定無形民俗文化財に指定された天真正伝香取神道流の修業をするために、成田市下福田の神武館道場には2000人の門弟、また世界40カ国1200人の外国人もやってきます。

この日、最初に演武を行ったのも、元アメリカ海軍所属の門弟の方。
真剣で行われるキレッキレの演武に、観客はかたずを飲み、会場が静まり返りました。

演武の後には、師範が動きを分解説明し、戦で相手の命を奪うための理にかなった武器や身体の様々な使い方に、多くの観客が「なるほど」と腑に落ちた様子でうなずいていました。

【西大須賀の神楽】

江戸時代から伝承される獅子舞で、西大須賀の八幡神社、耀窟神社の春の例祭に奉納されています。
成田市下総地区で唯一継承されている獅子舞は、「剣の舞」「悪魔祓い」「怒(病気やけがを治す治療の舞)」の三部構成。
伊勢系統の神楽様式を残す貴重な民俗芸能です。

【舞踊 門戸竜二】

NHK朝の連続ドラマ「はっさい先生」で、芸能界デビュー。
その後、舞台活動に専念し、近年は「大衆演劇界のプリンス」として全国で劇場公演をを行っています。
9月には、若手人気座長夢の競演『大衆演劇祭り』に出演、10月、11月には、新歌舞伎座で『可笑しなふたり』(前川清・中村美津子特別公演)に重要な役どころで出演するなど、多方面で活躍♪
また『デラシネ~根無し草~』で、テイチクレコードから歌手としてメジャーデビューも果たしました♪

一方、小学6年から高校卒業までを家庭の事情により大阪の福祉施設で過ごした経験から、後輩にあたる子どもたちに夢を与える「にじいろ夢コンサート」を毎年開催、いろいろな形で支援活動を続けています。
その活動は大阪府知事から感謝状が贈られたこともあります。
11月にもその功績に対して福祉関係の賞が贈られるそうです。

現在は、成田市を拠点に芸能活動されています。

この日は1時間の間に、女形、化粧替えの披露、立ち役、歌の9変化!♪

門戸さんお目当てのお客様で満場となったスカイタウンホール。
プロのステージを堪能しました。

16日にも、成田出身の真打ち・三遊亭金朝師匠と、鶯春亭梅八さんの落語、梅八さんの娘で日本最年少の浪曲師・国本はる乃さんら、プロの舞台が大入り満員の会場を魅了しました。

【江戸文字 鶯春亭梅八】

落語家の鶯春亭梅八さんは、江戸文字職人でもあり、「梅八流江戸文字」を築き上げた方。
17日、本来は参道で行うはずだった江戸文字実演を、同会場3階のふれあいコーナーで披露しました♪
ホールで行われる演目の合間に殺到するお客様のご希望に、面白おかしく会話を交わしながら1人ひとり応えて、江戸文字色紙をプレゼントしていました♪

【体験コーナー】

雨のため、他にも「匂い袋づくり体験」「オリンピックパラリンピックフラッグツアー」、江戸の遊び体験コーナーの「成田竹工芸」「楽しい和紙ちぎり絵」「折り紙」が、スカイタウンで行われました。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。