主将 成田対決 木更津総合VS習志野 高校野球千葉大会決勝

7月25日に閉幕した「第99回全国高等学校野球選手権千葉大会」。
同日、ZOZOマリンスタジアムで行われた決勝戦は、木更津総合高校VS習志野高校でした。

誇らしいことに、両校とも主将は成田出身の選手。
木更津総合の主将は、並木ペイシェンス→公津の杜中学校(佐倉リトルシニア)出身の峯村貴希選手

 

習志野の主将は、橋賀台サンダーズ→吾妻中学校(成田ボーイズ)の石田瑛平選手です。

2人とも遊撃手。

決勝戦は石田主将が2番、峯村選手が3番打者でした。

 

決勝戦は、1回表に木更津総合が先制すると、2回裏に習志野が追いつき、4回には両校が2得点ずつ取り合うという壮絶な戦いになりました。
後半の幕開け6回表に、木更津総合がもぎ取った1点が決勝点となり、1点差で習志野が涙をのみました。

ホーム前に整列した2人。


石田主将が「甲子園でも優勝してくれ」と言葉をかけると、峯村主将は「するよ。ありがとう」と答えたそうです。

 

【習志野高校主将・石田瑛平選手】

閉会式終了直後、まだ気持ちの整理もつかない時間帯に、石田選手が取材に応じてくれました。
記者がメモを取る速度に合わせて、ゆっくりと答えてくれる気遣い。
キャプテンになった直後は、試合中、仲間に上手く声をかけることができなかったと言いますが、決勝戦では要所要所で声をかけ、敗戦後も仲間の肩を抱く、キャプテンの姿がありました。


夏を迎えるために、やれることはすべてやってきた。
7試合全部、自信を持って戦いました。

去年は準決勝で、自分がチャンスを生かせず、先輩の夏を終わらせてしまった。
2度とあんな思いはしたくないと、この1年勝つためにやってきました。

《主将として》
キャプテンは自分もやりたいと思ったし、周りも押してくれた。
練習内容は変わっていないのに、キャプテンになってからは別の感覚でした。
それまでは、周りを見るということをしてなかった。
自信は全くなくて、キャプテンらしいことはできない頼りないキャプテンだったけど、協力してくれて有難かったし、みんなついてきてくれて嬉しかった。

《決勝戦》
2年前(準優勝)3年生の悔しさを目の前で見ていたので、その借りを返そうという気持ちだった。
ああいう思いはしたくない、ここまで勝ってきたからには準優勝は意味がない、必ず優勝しようという強い気持ちで臨みました。

今年は、拓大紅陵戦も1点ビハインドで最後まで粘れたし、粘り強さが自分たちの持ち味。
決勝戦も序盤あせりはなかった。
最後まで「まだいける、まだいける」と思っていました。
でも、木更津総合さんの方が1枚上でした。

【木更津総合高校主将・峯村貴希選手】

石田君は小学校から戦ってきた相手。
絶対に負けたくないと思っていました。

《秋と春の敗戦が原動力》
キャプテンになって、昨年の秋2回戦負けして、監督さんの野球、自分たちの野球を1からやり直すことになりました。
走り込みを増やし、体力的にも精神面も強くしたので、接戦でも粘り強く勝てました。
去年より守備は劣るけど、取られても取り返せる打撃力を高めてきました。
チーム全体で「毎日、1本1本を全力で振る」ことをやってきたので、自信はありました。

春は、準決勝で1対0で負けて1球の重みを知り、ノックでも、1球1球を意識してきました。
夏に成果が表れたと思います。

《決勝戦》
山下が踏ん張って、少ない点数で勝ってきました。
最後の夏、負けたら終わりなので、去年とは違う。
決勝戦は、1回戦・2回戦と違った緊張感がありました。
けれど、かたくならず、同点になっても慌てず、いつも通り自分たちの野球をやれば大丈夫、絶対に勝てると、1人ひとりが信じていました。
最後、ゲッツーが取れて、辛い練習を乗り越えてきて良かったと思った。


先輩たちの期待にも応えられた。
嬉しいとホッとした、両方あります。
2連覇のプレッシャーはあったので、キャプテンとして、自然と涙が出ました。

《キャプテンの重責》
去年は、小池先輩と二遊間を守り、ひっぱってもらって、今年は小池先輩の弟(1年生)と二遊間で自分がひっぱる立場、ミスがあっても「切り替えろ」とアドバイスしました。
キャプテンとしてチームに呼びかけるのは「いちばん大事なのは楽しむこと」。
お客さんがいっぱいいる、いい舞台で野球ができているので、チームにも「楽しもう」と呼びかけています。
自分は1年生から試合に出してもらって経験が豊富。
常に前を向くこと、自信を持って戦い抜こうと声をかけています。
たくさん練習してきたことを疑わず、自信を持って試合に出せました。

《自身の打撃》
最上級生になって、自分が打たなくてはいけないというのはありました。
状態は悪くありませんが、打ち損じが多く、まだまだ練習不足。
難しいボールに手を出しがちなので、見極めが修正できれば、結果がついてくると思っています。

《甲子園に向けて》
自分たちは、まだ成長できる。
1日1日を大切に、全国制覇に向けて練習したい。
去年のベスト8の壁を壊したい。
甲子園でも今までやってきたことを出し、楽しみ、長い夏にしたい。
どんな相手が来ようと、向かっていく姿勢で、粘り強く、木更津総合らしい試合をしたいと思います。


[記者雑感]
今年は、成田北高校の柏木風希選手(並木ペイシェンス→公津の杜中)が選手宣誓を行い、決勝戦は成田出身主将同士の対決、ZOZOマリンスタジアムに成田の風が吹きました。

決勝戦は、兄弟同士が戦う親御さんの気持ちのように「どちらにも勝たせてあげたい」と思ってしまいました。

インタビューに答えてくれた3人の言葉は、1つ1つが重みを持ち、胸に響くものでした。

例年よりじっくりとプログラムを見たからか、シード校に成田周辺出身選手の名前を見つけ、「こんなにたくさんの選手が活躍しているのか」と驚きました。
全国でも千葉は野球熱が熱く、レベルの高い県。
そんな中、強豪校にベンチ入りする選手たちを多数輩出する成田周辺の野球レベルの高さを感じ、大勢の誇れる先輩に、小中学生も続いてほしいと思いました。

 

 

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。