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成田の歴史 と史跡 78

【性学万能】

農業に使う道具といえば、代表的なものは鍬である。用途は農作物の周辺の土を掘り起こし雑草を取り除く、農作物の根のまわりに土を盛り上げる、土を掘ったり動かしたりする、雑草および根や作物の残滓(ざんし)を切り刻んで土の中に混ぜ入れるなどであろう。現在普通に見られるのは、木製の柄に鉄の刃を据えた金鍬であるが、金鍬の中に備中鍬という鍬もある。刃を三本から五本の熊手状にした鍬で、その名称は備中国(現岡山県の西部)松山藩で考案されたことによる。
しかし成田市域の長沼や荒海・南羽鳥などでは、農村指導者大原幽学の関係から性学万能(せいがくまんのう)または幽学万能といっている。
大原幽学は尾張藩士の家の出と伝えられ、漂白の旅を続けて天保二年(一八三一)に初めて房総に足を踏み入れた。幽学の教えを「性学」というが、これは人間のもつ本心や良心が性で、この性にしたがって生きるのが道であるとした。幽学が指導する考えは、人の永続と家の永続である。当時の関東地方の農村は天保の飢饉などで疲弊しており、離散する農家が増加する状況にあった。これを幽学が日用品の共同購入、博打の禁止、家屋普請の助言、農業技術や農具の改良などを教え、この結果、荒廃した農村は救われ、門人が増加したのであった。
備中鍬も幽学が農民に初めて見せ、その便利さから村中で使われるようになったのである。
(北囲護台 小倉 博)

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