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【子どもと一緒に読みたい本・絵本】⑲『クローディアの秘密』

★クローディアの秘密    (E.L.カニグズバーグ作/岩波少年文庫)

少女クローディアは、弟を誘って家出をします。
ゆくさきはニューヨークのメトロポリタン美術館。
そこでこっそり生活をするうちに、2人はミケランジェロ作とされる天使の像にひきつけられ、その謎を解こうとします。

家出の先がメトロポリタン美術館だなんて、聞いただけでワクワクしますが、主人公クローディアはクールな都会っこ。
かっとなったあまりに、リュック一つでとびだすなんて「昔式」だし、遠足さえも虫がいっぱいいたり、カップケーキが溶けたりして不愉快という考えの持ち主です。
お供を選んだのも「ケチで貯金額が一番多い」という理由で2番目の弟、というなんとも現実的な判断(笑)。

作者のE.L.カニグズバーグはアメリカの、どこにでもいる今どきの子どもたちを主人公にしたお話を多く残しました。
この作品も「もし仮に、山の中で野宿なんてできそうもない自分の子どもたちが家出して、わざわざ行くところといったら、自分の家よりずっと快適でエレガントなところ、そう、美術館くらいだわ」と思ったことが着想になっているそうです。

しかし昼間は守衛に目をつけられないように、大勢やってくる小学生の団体にまぎれたり、家出の荷物を中世の像のうしろの垂れ布に隠したり、閉館後の見まわりをやりすごしたりと、美術館での暮らしは自然の中を生き抜く冒険ファンタジーに負けないスリルがあります。
英国ルネサンス広間の天蓋つきの寝台(しかも国有品!)で寝たり、青銅のイルカのある噴水でお風呂に入ったりと、大人でも読んでいてうらやましくなる場面もしばしばです。

また、ミケランジェロ作かもしれない天使像の謎解きは、子どもたちならではの発想が面白い。
天使の像の売却者である財産家との、機転を利かせた駆け引きも負けていません。

さて、家出をする前とは違う自分になりたかったクローディアが手にしたものとは?
読み終わったらメトロポリタン美術館に行きたくなることうけあいです。
アメリカで最も優れた児童文学の著者に与えられるニューベリー賞受賞作。(M)

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