ダニエルカールさん 講演会で、国際化時代のコミュニケーション術を面白く伝授!(前編)

タレントで山形弁研究家のダニエル・カールさんの講演会が、24日(土)成田市文化芸術センター3階スカイタウンホールで行われました。

「ダニエルの日本見聞録~国際化に向かっていく日本 これからどうすっぺ!~」と題された講演会では、ダニエルさんが日本での留学・滞在経験を通じて感じた、日本の面白いところや素晴らしいところ、「国際化」とはどういうことなのか。そして、国際化がすすむ現代、「日本のこれからのありかた」が、具体的な体験談とともに面白おかしく語られました。

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「いやーいやいやいやどうもどうも~」TVでおなじみの、流暢で親しみやすい山形弁でダニエルさんが登場すると、会場の緊張した空気は一気にほぐれ、瞬く間に和やかムードに。ダニエルさんのわかりやすく面白いトークで、会場は終始笑いに包まれていました。

「日本語が通じない」はもう古い!? 先入観を入れ替えて

国際化がすすむなか、外国人とうまくコミュニケーションを取っていくためには、まず、「日本語は通じない」という先入観を入れ替える必要があるとダニエルさんは話します。

ある英字新聞の世論調査によると、日本で暮らす約8割の外国人が「自分の日本語力に自信がある」と回答しており、日常会話に困らない日本語を身につけているとのことです。

ただし、日本語には「あいまいで(情報が)もの足りない」という特徴があるため、そこで誤解や意図が伝わらないことがしばしば生じるとダニエルさんは話します。「外国人の私が、日本人の皆さまに、日本語のあいまいさを教えます!」と話すと、会場からは拍手があがりました。

日本語の特徴その1「主語を使わない」

日本語は、主語を使わなくても成立するという、世界的にもめずらしい特徴を持っています。日本に来たばかりの頃、「行ってきます」は、動詞だけで、「誰が」「どこに」という情報が一切入っていないにもかかわらず、意思が通じ合っていることに、ダニエルさんは戸惑いと驚きを感じたと言います。

日本語は、長い年月を経て、話さなくてもお互い意味が通じる部分が省かれ、効率化がはかられてきたとダニエルさんは分析します。一方、アメリカなどは、お互い人種や立場、言語力の違う者同士がコミュニケーションを図る必要があるため、主体を明確にする必要があります。

「外国人とコミュニケーションをとるためには、情報を省きすぎるとうまくいかないことがあるので、注意しましょう!」

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日本語の特徴その2「便利な単語『あれ』」

「日本語には、『あれ』という便利な単語があります。年齢を重ねると、特に多くなってきますね。私も最近多くなってきました」と話すと、会場は大笑い。「あれ」は、英語の「That」以上の意味を持つようです。

日本人は「ワンワード(1つの単語)でコミュニケーションが取れる人種」とダニエルさんは話します。「『お茶、テレビ』でお茶が出てきてテレビをつけてもらえる。『まぁ』『さぁ』『う~ん』なんて、単語じゃなくて、音だけでコミュニケーションがとれる」ことは、外国人にとっては驚異的だそうです(笑)。

「『あれ』は、焦っている時によく出る言葉なので、外国人と話す時は、焦ってはダメ。頭で話すことを固めて、深呼吸をして、目を見て、落ち着いて話しましょう!」


※後編:日本語の特徴その3「文法的に意味を成さない!?『婉曲的』」その4「日本の美徳『謙遜』」に続きます。

この記事を書いた人

Keitaro Sasaki

Keitaro Sasaki

千葉県成田市在住。成田エリア新聞(紙面版)編集長(2008-2014)以後はオンライン版の当サイトにて成田の情報を発信しています。成田を盛り上げるため、いろんなところに首を突っ込んでいます。