Keitaro Sasaki 2003年、富里市日吉台に開設した「バレエスタジオ クララ」は、2004年からチャリティー活動を行っています。
【チャリティー活動のきっかけは怪我】
代表の原田郁子さんは、バレエの稽古中に、歩けなくなるほどの怪我を負い、失意のどん底に陥ります。
そこから引き上げてくれたのが、医療関係の方々でした。
日常生活に戻った原田代表は、感謝の気持ちを表したいと考えるようになり、チャリティー活動に思いが至ります。
「チャリティー活動は、常に心のどこかで思い、自分に出来ることを出来る時に、行動に起こして長く続けること。私に出来ることは、踊りを祈りに変えて、社会にご奉仕すること」と、12年間募金活動を続けています。
【地道な活動】
だいたい毎年1度のペースでチャリティーコンサートを開催し、昨年までに総額584000円を「盲導犬支援基金」「夏目雅子ひまわり基金」、東日本大震災以降は「日本赤十字社」に、2012年からはさらに具体的に、東日本大震災発生翌日から被災地入りした「国境なき医師団」に寄付し、施設での慰問活動も行っています。
【沖縄との縁】
今年6月、原田代表は、沖縄県で行われた戦後70年沖縄慰霊の日に、ボランティアとして参加しました。
その体験を通して、沖縄の人々の1年を通しての深い慰霊の心を感じるとともに、戦没者、自然災害被災者、すべての御霊に対して、祈りの心を持ち続けたいという思いが生まれます。
【ゆいゆいコンサートを開催】
この経緯から「沖縄平和祈念財団」との縁がつながり、今年は協力を得て、「結の会～踊りと音楽のゆいゆいコンサート～」を開催することになりました。
「ゆいゆい」とは沖縄の言葉で「助け合い」という意味。
ただバレエの発表会とするのではなく、苦労した時代にお世話になった人たちにとっても活動の場になるように、また幅広い年齢層の来場者に楽しんでもらえるように、との思いを込めました。
コンサートの主旨にふさわしい会場として、成田山新勝寺信徒会館の協力も得ることができました。
【バレエ・沖縄音楽・ジャズがコラボ】
10月11日に開催されたコンサートは、バレエとジャズと沖縄音楽のコラボレーションとなりました。
出演者は、大人のためのバレエスタジオ クララの生徒さん、沖縄県立芸術大学准教授でもある三線奏者の山内昌也さん、沖縄ポップスのこーへーさん、ジャズのMayu Nakajima Trio。
沖縄の「ゆいまーる」精神(助け合い)が流れる、穏やかで優しい空間となりました。
【平和祈念体験型イベントも実施】
ホールの外では、平和祈念体験型イベントも実施されました。
世界中で今も続いている「戦争」「いじめ」「自然災害」などの犠牲者を思い、平和について考えるきっっかけの場とするためです。
「特別な日だけでなく、折りにふれ、『平和への祈り』について考える場があったらいいな、と考えました」と原田代表。
鳩、鶴の絵に色を塗ったり、陸前高田奇跡の一本松の下絵に指紋のスタンプを押したり。出来上がった作品は、終盤に舞台背景として使われました。
【荘厳な祈りを表現した「ボレロ 琉球バージョン」】
オオトリは「ボレロ 琉球バージョン」。
世界共通の振り付けをクララ用にアレンジし、三線の音色に乗せたステージには、荘厳な祈りが満ちあふれていました。
原田代表は、コンサート終了後、「踊りは拙いですが、祈りを訴えやすい雰囲気のこの会場で開催することができ、『祈りを伝える』という意味で満足です」と、穏やかに微笑みました。
この日寄せられた募金は、￥43922が国境なき医師団に、￥38410が成田山新勝寺を通して東日本大震災募金に送られました。